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2024年印象に残ったオモコロの特集11選+α
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2024年、オモコロでは約260本近い特集が公開されました(たぶん)
月〜金毎日更新となるとその数は膨大。しかもブロスや漫画もあるので、欠かさず読んでいても何を読んだか思い出せないのではないでしょうか。
私もこのままだと全てを忘却してしまうので、備忘録として今年印象に残ったオモコロ特集について書きたいと思います。
・特集のみ記載(ブロス4コマは無し)
・記事の公開日順に記載
・めっちゃ話題になったやつは公式でも取り上げられる気がするのであまり取り上げない
これを読んで「あったな〜」 「上がってないけど自分はこれが好きだった!」など、特集について思いを馳せてもらえればうれしい!
電車未経験者が電車に乗ってみる (1/23)
作:私野台詞
以前も紹介したけれど、やっぱりいい記事なので。電車にほぼ乗ったことない人が、乗り換えもしながら目的地の駅まで向かう! ネット検索なし!というのがインパクトあり。毎日電車に乗る人も検索はするよ!
「知らない」ということは強みですが、ただ知らないのではなく何故触れてこなかったか、そして実際に知らないことをやる時にどう切り抜けるかをハッキリ言語化するのって大事。無知を武器にできるくらい鋭く磨いた記事でした。
FLEE SPACE(2/16)
作:梨
梨枠。
この世の全てのフォーマットをホラーにする気か? と思わせる実験作をオモコロで出しつつ、ありえんペースで作品を発表しているのには本当に頭が下がる!!
もう消化する方が大変な速度になってきてるので来年はもう少しゆっくり出してくれるとうれしいぜ。
夢を買う(3/20)
作:ヤスミノ
編集部員名義の記事が来てると「おっ」ってなるよな(レアなので)
タイトル以上のことは起きないチルな記事。特に劇的な展開もなく終わるんだけどそれがいい。改めて読むと描写が丁寧だな〜。でもコジ坊に絡むくだりだけ妙にヤスミノ本人の声で再生される。
あとなんとなくブロスっぽい。
トイレットペーパーをカラカラ回している人(4/1)
作:岡田悠
これね〜おもしろい。良質な短編小説みたい。排泄って裸より個人的で、大人になってから人に見せることはまず無い領域なので、こんなワンダーもあるのかもしれない……という気持ちにさせられる。オモチャンの偏見回でしてた各々のトイレの仕方もわりと面白かったし。
オモコロ版の花言葉を考えました(5/2)
作:JUNERAY
花言葉の不当な(と、感じる人もいる)権威性を「こんなん適当に言ってるだけだろ」とくさすのはよくあるが、自分たちで新しい花言葉を作ろう!というポジティブな動きに転換しているところがたのしい。呼んでいるメンバーの的確さ(パッション×2、ロジカル×1、原宿×1) も流石。
後半の薔薇の扱いで笑ってしまったけど、確かに赤い薔薇を真正面から「愛」とか例えられる人たちって何なんだよという気もする。
レッツゴー!怪奇組 Part-53 (7/12)
作:ビュー
怪奇組……終わっちゃった……。
怪奇組が完結した……これ以上言えることはない。え、あ、そういう関係ってことでよかったんですか!?!?!?!?とはなった。
ビューさんはpixivでもオリジナル作品を投稿しているのだけれど、ゴリゴリのTSもの18禁漫画でびっくりした記憶がある。コロコロ連載作家の別名義を見た時の気分。(そっちもよかったです)
2週間に1冊のペースで増え続ける『こち亀』のコミック総冊数がヤバい(7/19)
作:シュゴウ
こち亀の単行本はジャンプコミックスだけじゃない!
コンビニにある謎の漫画本について掘り下げた力作。こち亀は全201巻なのにコンビニコミックスだけで300巻超え、100円の電子書籍が毎月5冊出続けているなど驚愕の事実が明らかになり、ちょっとゾッとするほど。長期連載作品のオムニバスは実質無限に出せるということがよくわかる(ドラえもんとかも永遠にこういうのが出てる)
ガリガリのコスプレは数年後に記事オチクイズに出てくるかもしれない。
めちゃくちゃデカくて重い机を買っただけなのに(8/26)
作:けん
中盤で写真が出るのだけど、今までの描写に負けずちゃんとでかい。いやむしろ想像以上にでかっっっ!!
最後の展開が少し切なさがあるハッピーエンドという趣があり、8月の終わりにぴったりな記事。シンプルにエッセイ漫画が上手いので私の説明なんか読まずに読んでください。
ご飯のおかわり一回無料!+50円(税込)でごはんを小チャーハンに変更できます!(炒飯はおかわり不可)白米でのおかわりは可能です (9/17)
作:ペンギン
時には「いま一体何の話を聞かされているんだ…」と戸惑うような記事をハイペースで発表しているライター、ペンギン(かわいい名前)。独特さがフルスロットルな作風で、いま一番気になるライターでもある。
特にこの記事は、タイトルにもなっている「中華料理店のややこしい説明文」をひたすら咀嚼していてビビった。デイリーポータルZでもギリギリ出てこない記事。というより、もはやこの記事を載せられる雰囲気のメディアってない。
「これを書くことにギャラが出る世の中であり続けてくれ……」という祈りすら感じたのでリスト入り。
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失敗した記事。(11/15)
作:金輪際雑魚
これの話をするために「印象に残った記事11選」をはじめたんだよ!! そのくらいブッ刺さった記事。
失敗した記事。 | オモコロ https://t.co/sUNdc6JtC0
— HIJIKI❤️🔥プリコラージュ (@HIJIKI06) November 15, 2024
創作趣味の人が持つ「アナログゲーム作るのって何か出来そうだし楽しそう」という幻想を粉々に打ち砕く凄まじい記事。
なんだけど、「ゲームデザインの破綻」以外のミスが多すぎてだんだん面白くなってくる。読んで!
2週間ぶりにXを更新した
初めて作ったボードゲームで編集部と遊んで料理も食べよう!という企画がルールの甘さ、説明ミス、単なる忘れ物や確認不足で瓦解していく様を描いた大長編。
個人的なことだが、自分はゲームを制作したりアナログゲームのネタを暖めていたりするので全く他人事と思えない迫力がある。要素を盛るだけ盛ってやたら複雑になったり! 脳内プレイヤーの動きと現実が全然違かったり! 色々説明して結局「要は人狼すね」で終わった時の「まぁそうなんですけど……」感といい!! 「創作」すぎるだろ!!!!!!!! あとゲームと無関係にわざわざ用意したトリコ要素が全く刺さってないのが一番辛い。
確かに失敗かもしれないが、すごいのはこれを書き上げて世に出したことだ。「本当の失敗は失敗すらできないこと」という言葉があるけど、今回成し遂げたことは次に活かしまくりだと思う。私はまた雑魚さんの作ったボードゲームが見たい。リベンジ編お待ちしております……。
有志によるルール改善の考察記事。
【長編】サザエさんを無音で視聴してストーリーを当てる(12/20)
作:ペンギン
12月頭に記事を書き終えて、タイトルも「10選」だったのに伏兵が来た。くそっ年の瀬だってのに変なもの見せやがって……(ジャイロ)。タイトル通り本当に長く、普通の記事なら終わってる文章量を読んだところでここから2万字ありますとあったのには驚いた。
無音でサザエさんを見て内容を予想する為に、2週分の放送でトレーニングをしたり展覧会に行く勤勉っぷり。全てはたまたま無音サザエさんのお題として選んだ週の第一話が絶妙な高難易度だったから。スポーツ漫画の最初の練習試合みたい。
ここでしか活用できないノウハウももりもり貯まり、有音サザエさんとかいうレトロニムが生まれたのにも笑いました。フランス語じゃないんだから。
文章量は多いですが図も多く、最後までスラスラと楽しく読めました。いやぁ、力作……本当にお疲れ様です。
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Ex.
入らなかったけれど書き留めておきたい記事
人とテレビを見る。
作:みくのしん、原宿
キャプションと本文で全然別の話が同時に進行する異色の構成。映画?
リサイクルショップシリーズ
作:神田
地方のリサイクルショップをはしごしていろいろ買うシリーズ。こう、暇だけど外部の刺激を受けたくない時に読むとすごく癒されるのでよい。一番読み返した記事。
好きな記事とか気抜くとライター複数人が買い物するやつで埋まるからね。毎週リサイクルショップに行って欲しい。
クリスマスオーナメントで今年を振り返る
オーナメント、手作り……?
虹https://t.co/qNd6bW3Ggc pic.twitter.com/HkRRVpvRIt
— オモコロチャンネル (@omocoroch) November 18, 2024
動画を見る時間の方が遥かに長くなったけれど、特集を読むのはやっぱり楽しい。
ここに無いものも含めて眺めていると、お役立ち情報が書いてあるわけでも、安定してPVが稼げそうな題材でもない記事がバンバン公開されてることに改めて豊かさを感じました。(もちろんバズるに越したことはないでしょうが)
私はテキストのおもしろが大好きなので、来年もオモコロの更新を楽しみにしています。
ではみなさん、良いお年を〜🫶
(おわり)
画像引用元:すべてhttps://omocoro.jp