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節分は豆まきでなくなったのはいつからかを少しだけ考えてみた

今年の節分は2月2日。
節分というと2月3日と覚えていたので少し違和感がありましたが、それは節分の意味をわかっていないからと言っても良いでしょう。

節分とは、季節の変わり目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日を指します。
つまり、年によって立春の日とかが定まっていないので、その前日の節分の日にもずれが生じるということになります。
地球が太陽を一周する時間は365日ぴったりではなく、約365.2422日です。そのため、暦と実際の季節とのズレが生じます。
このズレを調整するために、うるう年が設けられていますが、完全に解消することはできません。この影響で、立春の日付が変わり、それに伴い節分の日付も変わるのです。
また、旧暦では立春が新年の始まりとされていたため、節分は年越しの意味も持っていたようです。

現在では2月3日のみが節分として残っていますが、これは江戸時代に「立春」が特に重要視されたためらしいです。

そして、節分には、邪気や鬼を払い、一年の無病息災を願う意味があります。古来より、季節の変わり目には邪気が生じやすいと考えられてきました。そのため、人々は豆をまいて鬼を追い払い、福を呼び込むことで、災いを避けるということが残っていて、私も少年時代には家で豆まきを家族でしていた想い出があります。

が、節分に豆まきというのは今は昔のことで、現在は節分は豆まきよりも恵方巻きというのが常識というか、豆まきより巻き寿司の方が商売的に美味しいよねという商業主義の勝利というか、そういう現状ですね。

コンビニやスーパーには色とりどりの恵方巻きが並び、その年の恵方を向いて無言でかぶりつくのがお決まりの光景となりました。

しかし、この恵方巻き、今では当たり前でも、少し昔には全国的に食べられていたわけではありませんでした。
いつから常識に近いものになってしまったのか。

恵方巻きのルーツは諸説ありますが、大阪の花街で芸妓さんが太巻きを丸ごと食べていたのが始まりという説が有力のようです。

もともとは関西地方を中心とした風習で、節分の日に太巻きを食べることで「福を巻き込む」という意味がありました。

その他にも、様々な説があります。

大阪の花街説
江戸時代末期~明治初期、大阪の花街で芸妓が太巻きを縁起物として食べていたという説。
船場の旦那衆説
大阪・船場の旦那衆が、商売繁盛や無病息災を願って太巻きを食べていたという説。
海苔巻きの普及説
大正時代、海苔巻きが一般家庭に普及し、節分に食べる習慣が生まれたという説。

こういった説が複合的に絡み合い、恵方巻きの原型が生まれたと考えられています。

誰が企画したのか、恵方巻きはもともと全国的な風習ではなく、ここ30年ほどの間に商業的な戦略によって「いつも」の光景になったと言えます。

そのため、今年の物価高で「恵方巻きがいつものように食べられない」というニュースがありますが、「いつも」の恵方巻き自体が、実は「いつも」ではなかったのです。

では、節分の行事である豆まき。
豆まきは、鬼を追い払い、福を呼び込むための行事です。

「鬼は外!福は内!」と唱えながら、炒り大豆を家の中にまきます。豆には魔除けの意味があり、鬼が嫌うとされています。
まく豆は、自分の年齢より一つ多い数を食べるのが習わしで、一年間の厄を払うという意味があります。

私の家では、昔は室内で豆まきをしていました。
子どもは鬼の面を被った親に豆を投げつける。豆まきはとても楽しい行事でしたが、後片付けは大変でした。
豆まきが終わった後は、部屋中に散らばった豆を拾わなければなりません。畳の隙間や家具の裏側に入り込んだ豆を全部拾い集めるのは、それまでの楽しみが台無しになる時間とも言えます。

それにしても、いつから恵方巻きを食べるようになったのでしょう?
昔は節分というと、鬼を豆をぶつけて追い出すというイベントだったのに、いつの間にか恵方巻きを食べる日になってるのはどうしてなんでしょう?

それは、前述したとおり、コンビニが全国展開する中で、恵方巻きを商品として売り出したことがきっかけだったと思います。
もともと関西地方の風習だった恵方巻きを、コンビニが「節分の日に食べる太巻き」として全国的に販売したことで、徐々に広まっていきました。
今では、節分といえば恵方巻きというイメージが定着していますが、実はまだ歴史の浅い習慣なのです。
でも、もう全国的に今では、おせち料理に並ぶ料理の行事として認識されているのではないでしょうか。

節分は、単なる「鬼退治」の行事ではなく、季節の移り変わりを意識し、自然の恵みに感謝するための大切な伝統行事です。
豆まきや恵方巻きもそのための大切な風習だったはずですが、今後ともに残っていく風習は商売的に成り立つかというのが昔以上に重要になってきているのかもしれません。

どちらかでなく、恵方巻きと豆まき両方をやっている家庭というのが全国にどれくらいあるのか、ちょっと知りたい今日この頃なのです。
小さな子供がいる家庭ではあるのかなぁ。

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