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巳年の蛇にはまだ出会っていない
2025年は巳年。そう、あのニョロニョロと体をくねらせ、時に鋭い牙を剥き出す「蛇」の年です。
年賀状の絵柄としては蛇はちょっと人気がないのですが、他の十二支と比べても見た目の人気の無さは上位に入るのではないでしょうか。
「うわ、蛇か…」と思ったそこのあなた。ちょっと待ってください。蛇って、実はかなり興味深い生き物なんです。
私自身、中学生の頃、登下校の道の脇の田んぼで大きな蛇の抜け殻を見つけたことがあります。「うわっ、デカっ!」と思わず声が出るほど、それはそれは大きな抜け殻でした。
当時、「蛇の抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まる」という迷信を信じ、ドキドキしながらその抜け殻を財布にしまいました。結果は…ご想像の通り、お金は貯まりませんでした。が、あの時のワクワク感は今でも鮮明に覚えています。
それにしても、あれほどの抜け殻を残した蛇は、一体どれほどの大きさだったのでしょうか? 残念ながら、私はその蛇の姿を目にすることはありませんでした。もしかしたら、田んぼのどこかに潜んで、私に噛みつこうと狙っていたのかもしれません…。
蛇は、そのしなやかな体で、骨格はどうなっているのかと不思議に思う方もいるでしょう。実は蛇の骨格は、驚くほど多くの椎骨と肋骨で構成されています。人間の背骨が約30個なのに対し、蛇はなんと数百個! これにより、あの独特の滑らかな動きが可能になるわけです。
こうしてみると、漫画の刃牙シリーズの愚地独歩の息子の必殺技を思い出して、あの絵柄は正しいんだなぁと思ったりします。
顎を外して大きな獲物を丸呑みする姿も、ちょっとグロテスク…と感じる方もいるかもしれませんが、あれは進化の賜物。蛇は顎の骨を繋ぐ靭帯が非常に柔軟で、大きく口を開けることができるらしいのです。
さらに、蛇は五感を駆使して生きて、特に嗅覚は非常に優れており、舌で空気中の匂い分子を捉え、それを口の中のヤコブソン器官に送って分析します。まるで、舌で世界を味わっているかのようですね。
この蛇の舌があれば人生の楽しみももっと増えそうな気がします。
蛇は、古来より様々な文化で神聖な生き物として崇められてきました。古代エジプトでは、コブラは王権の象徴とされ、ギリシャ神話では、医術の神アスクレピオスの杖に蛇が巻き付いています。
蛇は見た目で拒否感はありますが、結構神性があります。
日本では、蛇は弁財天の使いとされ、金運や財運をもたらす縁起の良い動物として信仰されています。また、脱皮を繰り返すことから「再生」や「不死」の象徴としても捉えられています。
2025年の巳年。今年は、蛇のようにしなやかに、そして力強く、変化を恐れずに進んでみてはいかがでしょうか?もしかしたら、あの頃の抜け殻のように、思わぬ幸運が舞い込んでくるかもしれません。
蛇の神秘に触れ、その魅力を知れば、きっと蛇を見る目が変わるはず。
…あ、でも、道端で出会ったら、くれぐれもご注意を。
というか、その蛇を捕まえて、日本酒につけ込んで美味しいハブ酒を飲んでみたいという気持ちもありますけど、蛇の中でも毒性の高いハブを捕まえる必要があるので、やっぱり蛇を見つけると逃げる一択なのかも。