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『アンダーニンジャ』映画忍法ハナクソ
映画を観た人の感想でこき下ろしている人が多かったので、そこまで言わなくてもと思い観に行ってきましたが、残念ながら私もその一人になりそうです。
原作を読まなければ、原作漫画が好きでなければ、もっと楽しめたのかもしれないけど、原作クラッシャー映画がまた一本というところでしょうか。
予告だけ観たら、面白そうな映画に仕上がっているような気がしたんですけどねぇ。
どの映画も原作に忠実に作れとまでは言いませんが、映画だからこそ面白くなるものもあるし、映画ならではの面白さを発揮できるものもあります。
が、今回のアンダーニンジャは映画ならではというか、シナリオでなく演出とか監督の趣味が全開で出来てしまったものと言えるでしょう。
シリアスな忍者バトルものではなく、コメディ忍者バトル映画として作ったのでしょうが、笑わそうとしてやることが毎回しつこい。
繰り返される、どうです面白いでしょという押しつけがましさがある気がします。
そして、何故かこの映画ではハナクソにこだわります。
美人の若い女性が変顔をする面白さがあるというのはわかりますが、それを繰り返してアップで見続けるのは別に求めてませんし。
女性がハナクソをほじる姿を長時間見ることも、顔にハナクソがついてると何度も指摘するところも、面白くて笑えるわけでもないし、映画というのは監督のクセが出るものなんだろうなぁと思うだけです。
そして、この監督のクセというのはきっとハナクソが笑いのツボなんでしょうね。
原作を読んでいれば意味のあった闘いもエピソードも映画で微妙に変えられたり、完全に削られたり、原作を壊すやり方はこうやるのだという意気込みを感じてしまいます。
でも、この映画全てが悪いというわけではありません。
忍者の戦闘を現代に甦らせたというか、現代での忍者を映像にした功績はあるのではないでしょうか。
つまり、この映画が悪いというわけではなく、この映画と私の笑いのセンスが食い違っていたと言うだけなのでしょう。
それだけでなく、この映画だけでなく映画全体の問題でもあるのでしょうが、高校生を演じる人の年齢問題です。
向光性を演じるのが高校生じゃないといけないわけではないし、成人が高校生を演じても悪いわけではありません。
悪いわけではないのですが、主要キャラを演じている高校生の違和感が強すぎて、映画に集中できなかったのです。
これは最近テレビドラマや映画をたくさん観た結果、日本の役者を知りすぎた弊害でもあるのかもしれません。
その役者が演じている姿を見て、他の作品で役者が演じている姿が透けて見えてしまうのです。
これは、他の作品でその役者が演じていた姿が印象に残り良い演技をしていたというのもあるのかもしれませんが、現在の演じている役が合っていないと感じているのかもしれません。
でも、今演じている役柄を違和感なく思える役者もいるので、やっぱりその役者の演技力も感じているのかもしれません。
ま、原作の内容から考えて、続編は作るとしたら、モザイクだらけで見るに堪えないというか、製作できないから、全く別物の作品になるんでしょうけど。
現代に忍者ドラマを、忍者映画を蘇らせたと言えば聞こえは良いのかもしれませんけど、映画の中での忍法が炸裂しています。
おそらく、映画忍法ハナクソとでも呼べばピッタリのような気もします