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外部環境との関係をつくる

住宅のエネルギー効率を高めるためには、外皮の断熱性能を上げる必要がある。窓は外部環境の影響を受けやすく、最近の住宅は、法的ギリギリの小さな窓に切り替わっていく。本来の窓の要求としての、開放感や景色を楽しむ、近隣とのコミュニケーションなどということを抜きにして、環境性能やプライバシー、防犯性、経済性を理由に、最小限の窓の計画により、外部との関係を遮断してしまう住宅をよく目にするようになる。

千住のような狭小住宅地の多いエリアでは、もともと間取りの自由度、開口の自由度のない敷地でもあり、光や風の大きさ方向を限定するのは似合わない。

そう考えると窓の大きさは、自然と大きくなるし、やはり中間期に窓を大きく開けて、心地よいそよ風やこもれびが家の中に入ってくることが魅力に思えてくる。コロナ過で我々は、ひとりでは生きていけないことをしみじみと感じることができた。大きな開口は路地裏空間に向けた多くの目でもあり、防犯性やお互いの近況確認のしつらえとしても使われていく。少し前までは、格子戸(引戸)の玄関扉が多く使われ、中間期には開放されて使われていた。

外部環境のと関係は、もう少し大きなエリアで考えられる周辺環境との関係にもつながっていく。まちが活性化するかどうかはこの仕組みをうまく使えるかどうかにもかかっているのかもしれない。もし、あたなが家を購入するとしたら、大きい窓の家と小さい窓の家、どちらを選択しますか?

北千住島プロジェクトnote上でお届けしている島プロ ライドオン。今年のテーマは『今だからこそ1010宅論』です。 その3は、2020年10月6日にアップされました。

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