お金儲けのためだけのデザインは何を生むか
デザインを「お金儲けの手段」として選ぶと何が起きるか
「在宅で楽に働けそうだから」
「サクッとお金が稼げそう」
「主婦でも隙間時間でできちゃう」
「3ヶ月でフリーランスになれるから」
そんな理由でデザイン業界に飛び込んでくるのは
別にいいと思う。きっかけは人それぞれ。
だけど、その理由だけでは
その仕事は上手くいかない。
デザインが好きじゃない人は、デザイナーに向いていない
たとえば、
料理が嫌いな人が料理教室を開いたら?
子どもが好きじゃない人が保育士になったら?
もし、料理に愛情がない人が料理教室をしたら…
もし、子供に愛情を注げない人が保育士をしたら…
生徒や保護者はどんな気持ちになるだろうか?
愛情や熱意のない人から受けるサービスに
心は動かない。
そんな人に責任ある仕事は任せない。
私が思うに、
デザインが好きじゃない人は、
デザイナーをしない方がいい。
生徒や子供にデザインを教えるのも、
絶対にやめて欲しい。
もちろん、仕事にしたからには
楽しい、好き!だけではなく
しんどいことや辛いこともある。
色んなことがあった結果、
好きなことを仕事にしたのに
胸を張って好き!
といえない時期もある。
でも、
“仕事にするくらい好きなこと” じゃなければ、
その仕事で成功するのは難しい。
お金儲けしたい、
ちやほやされたい、承認欲求
それもあっていいと思う。
けれど、それだけでは絶対に失敗する。
一時的にうまくいったとしても、
どこかで足元をすくわれたり、
大きな成果にはつながらなかったりする。
お金目当てが呼び寄せる「同じ価値観のクライアント」
お金儲けがしたいという動機で始めた仕事には、
同じくお金目当てのクライアントが集まる。
すると不思議なことに、
クライアント関連でお金が出ていく現実に直面する。
予算以上の仕事を要求されたり、
細かいことで減額を求められたり。
仕事が進むにつれて、なぜか収入以上に負担が増える。
同じことはデザインスクールにも言える。
デザインが好きじゃない人がスクールを開くと、
デザインが好きじゃない生徒が集まる。
すると、「デザインが好きになれない」という不満
「先生のデザインが微妙」という口コミが生まれる。
当たり前の話だ。
「好きじゃない人」が教えているのだから。
人生を使ってやりたい生業だろうか?
今やっている仕事は何のためだろうか?
誰かが喜ぶことだろうか?
そこがずれると、どこかで歪みが生じる。
自分もクライアントも、不幸にならないために。
自戒の念を込めて。