〜フォントは5つあれば充分〜【化粧品・アパレル】女性向けデザイン
デザインはフォントで4割決まる
フォントの重要性を嫌というほど理解している中堅デザイナーさんは下の方に読み飛ばしてくださいませ。
ラグジュアリー業界(高級感のある高額商品やサービス、コスメや高級アパレルなどビジュアル重視の業界)のデザインがなぜ綺麗で素敵で上質なのでしょう?
デザインはよく「料理」に例えられますが、まさにその通り。例えば、ミシュラン三つ星のレストランに行って、しなびた野菜を使ったサラダが出てくることはまずないですよね。要するに、高級な料理には高級な素材が欠かせない。デザインも同じで、フォントや写真素材、イラストなどの「素材」が高級であるほど、完成するデザインも上質なものになるという仕組みです。
ただし、素材がいくら高級でも、料理でそれを活かせなければ意味がありません。せっかくの良い素材を台無しにしてしまうデザインもなきにしもあらず…(笑)。
ただ、高級な素材が揃っていれば、基本的なセンスとスキルがあれば大半のデザイナーは上質なデザインが作れるというのも事実です。良い食材が揃っていれば、たいていの主婦の方が美味しい料理が作れるのと同じことです。
「素材の格」が、そのデザインにふさわしい価格感や価値を伝える大きな要素となっているので、デザインのクオリティを上げたいと思ったらまずは素材選びから。ということで長い前提は終えて、フォントについてさくっと書きます。
現場で使う一軍フォントは限られている
では、上質なフォントとはなにか。
上質なフォント=有料フォント、というわけではない。確かに有料フォントのほうが優れている所もありますが、使いこなすには場所が限られすぎていたり、時には癖の強すぎるフォントもあります。一方で、無料でも素晴らしく汎用性が高く、どんなデザインにもなじむフォントもあります。
普段使うフォントは5つあれば充分
おそらく、商業デザイナーの皆さまはフォント選びに時間をとられている場合ではないんじゃないでしょうか。ディレクターとのやりとり、クライアントとの折衷、マーケ部門との会議、時にはライティングやキャッチコピーも頼まれたりと(笑)売れっ子になればなるほど忙しいのは会社員デザイナーもフリーランスデザイナーも同じだと思います。
限られた時間で成果を出すためには、使用するフォントをできるだけ絞り込み、「これなら間違いない!」と一発で採用できるフォントをいくつか頭に仕込んでおくことが大切です。
限られたフォントで最大限の表現力を発揮し、効率よくクオリティの高いデザインを仕上げられるようになると、フォント選びで迷わなくなります。フォント選びに悩む時間が減る分、デザインの全体像に集中できるのも大きなメリットです。
「フォント遊び」をしたり、業界ごとに最適なフォントを模索したりするのは、経験を積んでからでも遅くない。まずは、選ぶフォントで「素人っぽさ」をなくすことが最優先かなと。基本のフォントを押さえるだけでも、デザイン全体がぐっとそれっぽく見えるようになります。
ここでは【コスメ・アパレル・ウェディングなど】ビジュアル重視の業界におけるデザインの現場で、本当に使える有料&無料フォントの一軍を紹介します。
日本語明朝
しっぽり明朝
筑紫Aオールド明朝(数字も美しい)
A1明朝
日本語ゴシック
こぶりなゴシック
游ゴシック
秀英角ゴシック銀
欧文セリフ体
Garamond系はどれも美しい
Optima (類似:Classico URW)
欧文サンセリフ体
Futura
DIN(数字ならこれ)
ただし、ウェブ(サイト、LP)の場合
画像でコーディングするものはどんなフォントでも使えますが、デバイスフォントで組み込むものには制限があります。
ここでは基本的に使いやすいもの(有料でウェブフォント契約などしなくてもiPhone、Mac、Windowsのブラウザ)で確認できるものを紹介します。
HTMLにGoogle fontもしくはadobe fontを組み込むのが一番一般的で早いので、その2つのサービスから選びます。
日本語明朝
しっぽり明朝
日本語ゴシック
游ゴシック(ミディアムしか使えないのでタイトルには不向き。ボディコピーには◎)
秀英角ゴシック銀(ウェイトが3段階あるので使いやすい)
ヒラギノ角ゴシック
もちろん、世の中にはまだまだ素晴らしいフォントはたくさんあるのでこれ以外のフォントを使うこともあります。ただ、上記のものを使えば80%のケースは事足りるので、まずは上記のフォントが手に馴染むまで使い倒して、そこから余力があれば新しいフォント開拓を進めていくのが一番効率的な方法かと思います。なぜなら、デザイナーが学ぶべきことはフォント選びだけではないから。色選び、写真の補正、レイアウト、デザイン理論など、デザインの世界には習得すべきスキルが山ほどあります。
まずは基礎をだいたい網羅して頭に入れておくことで、全体的に高いクオリティのデザインを工数をかけずに作れるようになり、結果として最短で売れるデザインが作れるようになっていくというのがデザイナーの効率的な学習方法かなと思っています。
最後になりましたが、このnoteでは、【コスメ・アパレル・ウェディングetc】ビジュアルが重視される業界のなかでデザインスキルを売っていくためのノウハウをお伝えしていきますので、よろしければ読んでくださると嬉しいです。