【随想】記憶のさざ波にのって(弍)
1988年、韓国はソウルオリンピックに沸いていた。「和合と前進」を基本理念とする大会は9月17日から10月2日までの16日間。160の国・地域から1万3600人余が参加する夏季大会史上最大規模を誇った。アジアでの夏季五輪開催は、1964年東京大会以来2番目。五輪開催は国際社会での飛躍を目指す一歩でもあった。
韓国にとって1988年はもうひとつ大きな意味を持つ。国民の民主化要求に応え前年12月、16年ぶりに国民による直接選挙で大統領選が行われ盧泰愚氏が当選。1988年に大統