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〝教える〟から〝伝える”スタンスで|50代の先生方へ
教えることに疲れたら、伝えることを選んで生きてみる…。
「教える」のに心底疲れたと感じること、ありませんか?特に50代の先生方にとって、若い頃の情熱を保ち続けるのは難しいものです。
日々の研修や授業を振り絞って続ける中で、「本当にこれが必要なのだろうか?」と思う瞬間が増えてきますよね(私がそうでした)。そんなとき、思い切って「教える」ことから一歩引いて、「伝える」ことを選ぶのはどうでしょうか…。
今日は教えることと伝えることについて考えてみたいと思います。
教えると伝えるの違い
Weblio辞典によれば、教えると伝えるは次のようになります。(抜粋)
【教える】
1 知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く。
2 知っていることを相手に告げ知らせる。
3 ものの道理や真実を相手に悟らせて導く。戒める。教訓を与える。
【伝える】
1 言葉などで知らせる。伝達する。
2 あるものを受け継いで残す。また、あるものを受け継いで次の代に授け渡す。伝授する。
3 よその土地から文物などを持ってくる。もたらす。
4 熱・音などが、一方から他方へ移るように仲だちをする。
辞典で「教える」と「伝える」を調べると、少し興味深い違いが見えてきますね。「教える」というのは、相手に知識や技能を身につけさせること、あるいは何かを悟らせること。「伝える」は、言葉や行動で何かを知らせたり、受け継いだりすること。
「教える」には「教え込む」というニュアンスがありますね。「伝える」には「共有」や「受け渡し」の感覚が強いイメージが残っています。
また、教え諭す〝教諭〟、教える組織人〝教員〟が、字のとおり〝教える〟存在とすれば、先に生きる〝先生〟は、どちらかといえば〝伝える〟と言えるかもしれません。
この違いが面白いポイントです。
私の経験から、必ずしも「教える」ことが最良の結果を生むわけではないと実感しています。
実際、私は「教える」ことに重きを置きすぎて、何度も子どもたちを追い込んでしまった経験があります。それは同時に、自分自身を追い込むことにもつながり、悩みの種でした。いくら教えても、子どもたちがそのまま学ぶわけではない…むしろ、自分の力を感じられなくなる瞬間が増えていったことに戸惑いました。
教えるよりも伝える
そこで思うようになったのは、「教える」ことに疲れたら、「伝える」にシフトしても良いということ。と言いますか、多分、子どもたちにとっても、それが良いですよね。
「伝える」のは、相手に押し付けず、自分の思いや考えを共有すること。これが今の子どもたちには非常に合っています。「こんな考え方もあるよ」と、あくまで提案する形で接することで、子どもたちは自分で考えるきっかけを得られます。
無理に教えすぎず、答えを与えすぎず、子どもたちが自分で考え、感じるスペースを作ること。それが本当の支援になりますよね。
「伝える」ことで楽しく生きる
「伝える」に変えてみると、少し肩の力を抜いて生きることができそうです。そうなれば少し楽しさを感じられるかもしれません。誰かに対して、押し付けるのではなく、柔らかく気持ちを伝える。それは無理に結果を求めず、相手が気づく瞬間を大切にするアプローチです。
最後に
「教える」に疲れたなら、一度立ち止まり、肩の力を抜いてみる。それを意識してみると、自分自身がより自由に、自分らしく生きられるのかな、と先生を辞めた今、ライティングの過程でも感じています。
本日もここまで読んでくださりありがとうございました。これからも、私なりに何かしらお役に立てることをお伝えできればと思ってます。ではまた、明日。
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