私のアラフィフ|2度の休職ー退職ー転職が教えてくれた大切な時間
私は教員として働きながら、心のバランスを失い、50代を迎える前後に2度の休職を経験しました。その過程は、苦しみと自分自身への問いかけに満ちたものでしたが、振り返れば、私にとって大切な時間だったのだと感じています。今回はその道のりを振り返りながら、「自分」と「人生」を見つめ直す時間、その意味についてお伝えしたいと思います。
最初の試練と休職の決断
48歳、小規模校への異動で新しい環境に飛び込んだ私。しかし、その環境は決して楽なものではありませんでした。上司や同僚の間で板挟みになる日々や、仕事量の増加、さらに家事との両立もあり、次第に心身への負担が増していきました。
年末、来年度の準備や会議進行などプレッシャーが重なり、ついに心が悲鳴を上げました。吐き気や泣きながらの電話――その瞬間に、「もう無理だ」と思いました。そして、家族や上司と相談し、休職の道を選びます。
最初の休職中、引け目や自己嫌悪に苦しむ一方で、環境から離れると不思議なことに少しずつ心が元気を取り戻していくのを感じました。適応障害やうつ症状に揺れながらも、周囲のサポートを受けて再び職場復帰へと向かう準備が整いました。
再び訪れた試練
1年後、異動した新しい職場でも同様の苦労が続きました。小規模校の特性からか、人間関係や調整ごと、さらには様々な方々との連携の難しさが重なり、またしても心が限界に達しました。
2度目の休職は、前回以上に深い落ち込み方でした。自分を責め続け、「なぜ自分はこうなのか」と思い詰め、出口の見えない感情に苛まれました。それでも、家族や友人の支えによって、少しずつでも自分の心の声に耳を傾ける時間を取り戻していきました。
最終的に、私は退職を決断します。しかし、自分では熟慮した結果だと思ったのに、実際は辞めた後悔、将来の不安に心を奪われ、再び苦しい時期を送りました。正直申し上げれば、決断を焦りすぎたのかもしれません。後悔や不安も少しずつ軽減されてきましたが、いずれにしても、退職のような大きな決断をするときは決して焦ってはならず、時間をかける勇気をもつことが大切だと気づかされました。
時間がくれた気づき
50代の、この時期、何かの決断をするとき、心の回復においても想像以上に時間が必要です。1年では足りない。3年でも不十分…。私の場合、退職後も含めれば5年以上の月日が必要でした。この5年間、人生や価値観、理想と現実とのギャップを問い続け、苦しみながらも少しずつ自分を許せるようになってきたところです。
その時間の中で、私は自分に問い続けました。「本当に大切なものは何?」「どんな未来を描きたいの?」。この模索期間は決して無駄ではなく、今の私にとってかけがえのない財産となっています。
50代は新しい始まりの時期
精神科医の和田秀樹氏は50歳を思春期ならぬ、思秋期、つまり人生の分岐点としています。見方を変えれば、今、再び一歩を踏み出す時期といえるでしょう。
つまり、50代は決して終わりではなく、新しい始まりの時期。50代に「時間をかける」ことは、その後の人生を豊かにするために必要なのです。たとえ苦しくても、振り返れば「50代のあの頃は、自分を理解し、成長するための大切な時期だったんだなあ」と気づく日が必ず来ます。私はそう信じています。
私の経験が、同じように悩んでいる方々の一助となれば幸いです。焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。人生に遅すぎることはありません。
結び
このブログでは、これからも50代からの新しい一歩に寄り添うメッセージをお届けします。同じ悩みを抱える皆さんと、どこかで共感し合いながら、新たな一歩を踏み出す勇気を共有していけたらと思います。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。