【読書記録】スイート・ホーム
次に読む本は決めていると前回の感想で述べたが、今回の本は実は読もうと決めていた本ではなく、書店で見かけて一目惚れして買ってきて、こちらのが食指が向いたためこちらから読むことにした。
原田 マハさん著、スイート・ホーム。前回のショートケーキからの流れを汲んだわけではないが、わたし好みの甘いタイトルだったのも手に取ったきっかけのひとつだ。
甘味のあるタイトルのものはとりあえず手に取ってしまう。それからあらすじ等を見て買うか決めると言った感じだ。
こちらは書店でプッシュされていたからというよりはタイトルに惹かれ、内容もストレスなく読めそうだったので即購入を決めた。
元々読むと決めていた本は次回こそ読めたらいいと思う。
○スイート・ホーム
奇しくも同い年の主人公の話。
やめるときも〜のときも思ったが年が近くあまりちゃんと恋愛をしてきていない人の話を直近でひいているから縁でもあるのだろうか。無意識に自分に似た主人公を引き寄せているとしたらこわい。
タイトルを裏切らない温かく優しいお話。素敵な家庭で育ち、たまたま出会った素敵な人とこれから自分の両親のように温かい家庭を築いていこうという絵に描いたような羨ましくて素敵なお話。挨拶にきて、父親と話すシーンは主人公のように涙が出そうになった。というか読んでいたのがスタバじゃなければ泣いていた。さては我疲れているな?
短いお話だが気持ちが良くなる素敵なお話でした。
現実はうまくいかないからこそ、作品ぐらいは綺麗で温かくて優しいものを読みたいと思う、特に疲れているときは。
最近疲れと仕事場の人があまりに言わないと動いてくれないことが多く少し態度が雑になっていることを自覚していたから、今一度、人に丁寧に接する気持ちを思い出させてくれたお話でした。それはそれとして、仕事場では適度に雑に扱っていきたい、自分が疲弊しないために。
気づいてはいたが、恋愛ものが読みたい気分らしい。そして甘そうで可愛らしいタイトルを手に取りやすい。常に愛情に飢えているのが丸わかりである。
とりあえず今回は最初のお話から気持ちよく読めたので個人的にヒットの本になりそうで、読み進めるのが楽しみである。
○あしたのレシピ
一作目の主人公にケーキ作りを教えてくれた先生の甘酸っぱい恋の話。
いい雰囲気からの失恋だったからああ〜…ってなっちゃったけど、終わり方がなんだか「おや?」って感じで後味も悪くなかった
スイーツや料理というわたしの好きなテーマでの恋愛ストーリーなので読んでいて楽しい。
言葉選びや登場人物も温かくて優しくて疲れた心に沁みる。
先生も幸せになってほしいなあと思いました
○希望のギフト
本当に温かくて素敵な家族だなあと最後は涙が浮かんだ。
妹同士のお話。
自分は親族をどうにも好きになれなかったので、好きと思えて、一緒に住めるくらい家族と良好な関係を築いているのは素敵だなあと思った。
こんな叔母がいてくれたらよかったなあと羨ましくなった。
妹ちゃんも素敵な相手と出会えてよかったなあ羨ましいなあととにかく羨ましくなってしまったお話でした。
タイトル通り、希望のある素敵なお話で心が揺さぶられました。
○巡りゆく季節
超短編5作。最初と最後はこれまでの話には登場していない、引っ越してきたばかりの浪人生のお話。不安で暗い中を歩いている時も笑顔で優しく見守ってくれる人が身近にいるのはとてもいいですね。
ふたりの聖夜は本編の2作目、あしたのレシピの未来先生のその後のお話。読み進めてすぐ「ほら〜〜!!!やだ〜〜〜!!!やっぱり〜〜〜!!!!!」ってオタクが顔出しちゃった。辰野くんといい関係になっているようでにこにこしました。
3、4作目も越してきてそんなに経っていない人たちのお話。
総括
幸せや温かさが詰められた作品だと思いました。お話の最後が救いがある、というよりは温かくて幸せな方へ進む、と言う終わり方をしていて、読んでいてとても温かな気持ちになる作品だなと思いました。
わたしには今のところ作品に出てくるような素敵な相手などに恵まれている気配はないのですが、幸せのお裾分けをされたような気分で読んでいて心地よいお話だなと思いました。
もう少し、人生頑張ったらこのお話みたいに素敵な人に出会えたらいいな、なんて少し前向きな気分になれました。
恋愛小説としても、激しい感情や展開はないけれど、幸せなお話が読みたい人にはとてもいいのではないかと。個人的にはとても好きな本でした。
ここまで読んできて、もともと恋愛ものを同人制作している身なだけあって恋愛作品好きだなあと思いました。
たぶんね、自分のぽっかり空いて埋まらないところを埋めるために読んでいるという部分もあるのだろうとは自覚しているけれど、それでも楽しく読めているならまあいいのではないでしょうか。
こちらの本はお薦めしていきたいなあ。本屋さんで偶然出会えてよかったです。出会ってくれてありがとうございました。
次こそは友人が薦めていた作品を読もうと思います。読むという決意を込めて次回予告。
次回は瀬尾まいこさん著『あと少し、もう少し』を読みたいと思います。