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私が結婚式を挙げることにした理由
私と夫は、長ーーーーーーい同棲期間を経て結婚した。
当初は籍を入れるつもりもなかったのだが、ちょっと事情があって「とりあえず、籍を入れますか?」という運びになった(ちなみに妊娠じゃないし、さほど深刻な理由でもない)
ただ、私も夫も収入はそれほど多くない。交友関係も広くない。その上、イベントごとに興味がない。
ないない尽くしの二人なので、結婚式や披露宴はなし。とりあえずドレスとタキシード姿で写真撮影して、その写真を近親者に渡して終わらせよう。ということで、話はまとまりかけていた。
でも、最終的な結論を言えば、私達は結婚式をした。
なぜ、そうなったのか?それは・・・
両親に電話したら、父が落語の説明を始めて、そしたら結婚式をすることになった。
な…何を言っているのか わからねーと思うが、おれも 何をされたのか わからなかった…(by ポルナレフ)
というのは、まさにこういう時のためにあるセリフですね。
これだけじゃ意味不明だと思うので、もう少し補足説明を。
私の両親は、基本的には放任主義の人たちで、特に父は、基本無口。ほとんど何も指図したりしてこない(でも、無関心って訳ではない)
だから、結婚式をしない、という選択についても別に何も言われないだろう、と思い気楽に実家へ電話した。
最初に電話口に出たのは母。式をしないつもりだ、と伝えると、母は「あんた達が選んだのなら良いよ。ただ、写真くらいは撮って見せてよ」と言われた。
予想通りの反応だった。
次に電話口に出たのが、父。
私「もしもし、結婚式なんだけど、式はせずに写真だけ撮ろうかと思って」
父「・・・ひふみよ」
私「ん?」
父「君は、落語を聞くかい?」
私「うん、聞くよ(一家揃って、落語大好き)」
父「落語には熊さんとか、八っつぁんとかが出てくるだろう?」
私「うん」
父「彼らは貧しい生活をしてるよね?」
私「うん」
父「けれど、彼らは結婚したら長屋で祝言をあげるんだ。大家さんとか、近所の人を集めてね。」
私「うん」
父「だから、どんなに貧しくても近所の人や大切な人を集めて式をするのには、意味のあることなんだよ」
私「・・・なるほど。わかった。ちょっと彼と相談する」
電話を切ったあと、私は彼と相談をして、そうして結婚式を挙げることにした。
父がこんな風に(すごく遠回しにだが)言ってくるのは、本当に本当に珍しいことなので、相当、式を挙げるべきだと父は思っていたのだろう。
式を挙げてみたら凄くハッピーだった(単純)
そんな訳で、私と彼は近親者だけを集めて、本当に小さな小さな結婚式を挙げた。
結婚式を挙げてみてどうだったか?
これは私と夫、二人の個人的な感想だが
「挙げて良かった!!超ハッピー!(お気楽)」
と思いました!アハハハ!
本当に、心の底からそう思った次第。
知識として「結婚式やお葬式は、その当事者のために実施するものじゃない。周囲の人のために実施するものなんだ」というのは知っていましたが、きちんと実感できていなかったんですね。
喜んでいる両親の顔、拍手している祖父母や写真を取りまくる姉妹兄弟を見て、初めて心の底から「あぁ、この人達にこんなに喜んでもらえるなんて、ありがたいな。ここまで沢山助けてもらった恩返しが、ひょっとしたら少しだけ出来たのかもしれないな。結婚式をやってよかった」と思えました。
※だからといって、絶対結婚式をしなさい!とは思いません。条件や状況は、人それぞれで異なるはず。
この場を借りて、私達のわがままを許してくれた母&夫の親御さん、制してくれた父、あと熊さん八っつぁんに感謝です。