V22double extra (VICTAS)
<使用経緯>
以前の記事に書きましたが、自分にとって最適のラバーが同社のヴェンタスエキストラ(以下VE)に落ち着き「沼もここまでかな」と思っていたのですが人間とは欲深いですね。カットは安定して入るものの攻撃面においてやや物足りなさを感じ厚さを1.8→2.0へ変更しようと当初は考えていました。ただ以前に厚さ違いを試したところ全くダメだったことを思い出し「それならばいっそ違うラバー(VEに似た系統で)を試してみるか」となったわけです。V22を選んだ理由はXやYouTubeなどでレビューをみていたところ特徴として<直線的な弾道><やや柔らかめの打球感>とあり一番VEに近いのではと感じたためです。(ホントはカラーラバーでブルーがあったからです。)
以下のレビューではVEと比較して書いていきます。
<使用感>
・攻撃面
打球感はVEと比較してレビュー通り柔らかく、表記の50度より全然柔らかかく感じます。(おそらくですが、スポンジ硬度は50度ですがシートが柔らかいためだと思われます。)ただV20extraやハイブリッドMKのように「モチッ」とした感じではなくスピード系ラバー特有のクリアで「パーン」とした打球感に近いです。打球感と同様に打球も上に上がって弧線を描くというよりはやや直線的な軌道でスピード重視の球が打てます。ただVEと比較するとVEよりは上に上がって収まる印象を持ちました。
スポンジ厚を1.8→2.0に変更したのにも関わらずVEより扱いやすく感じたので「球がいってないのかな?」と思っていましたが受け手に聞くと以前より球が明らかに速く・重くなり打球が深くなっているとの事でした。
VEと比較して一番違いを感じた部分はシートの強さで、VEの時はインパクトが弱くても強くてもドライブ時の回転量はある程度一定になっていたのに対しV22はインパクトの強さにしっかり応えてくれて自分の力で回転量の差をだすことができると感じました。また柔らかく感じるため少々インパクトが弱くともそれなりのボールが打てますし、VEの良さであるミートのしやすさもV22の方が打球感がクリアな分やりやすく感じました。
攻撃の選手が使用するのであれば、回転を重視して打つタイプよりも弾きと回転が半々くらいの感覚で球のスピードを求める選手に向いているのではないかと思います。
・カット系技術
こちらもVEと比較して柔らかく感じる分、カットの安定性はV22の方が優れていると感じました。厚さを1段階上げているのに厚い方が安定するというのも不思議な感じがしますがそれほど性能が高いということでしょう。
VEのカット時の良かった点としてシートの鈍感さにより相手の打球(回転)の影響を受けにくいという点がありましたが、V22の方が鈍感(というか逆にシートが強い?)だと感じました。スピードドライブに対しても回転量の多いループに対してもストレスなく自分のイメージしたカットがやりやすかったです。VEを使用していた時は相手の強打をパッとカットで処理しようとした際にポトッと球が落ちてしまうことが唯一気になっていた点でしたが、それも見受けられませんのでやはり相当にシートが強いのだろうと思います。ツッツキもカット同様に文句のつけどころがないくらいにやりやすさを感じました。
カット系技術とはまた違った面になるのですが、VEと一番違いを感じたのはカーブロングとカウンターのやりやすさです。カーブロングは引っ掛かりが強い為相手の回転に負けることなく安定して返球することができますし、自分で回転をかけるのも相手の回転を残して返すのも容易だったので自在性が高いと感じました。カウンターに関しては攻撃の苦手な自分がちょっと高いループドライブや、ストップで前に動かされた後のドライブ処理でこれも簡単に打ち返すことができました。攻撃重視のカットマンであればもっと威力のある安定した攻撃ができるのではないかと思います。
<まとめ>
個人的にはVEよりも全体的に数段階レベルが上がったラバーだと感じました。VEを使用しているが物足りなさを感じている方やV20を使用していて打球感が好みではない方にはピッタリではないかと思います。
V22が他のラバーと比較して優れていると感じるのは「扱いやすさ」です。
高性能ラバーは自分の中では弾みすぎたり上に上がりすぎたり扱いきれないものが多かったのですが、V22は自分がラバーに合わせなくてもいままでの打ち方でしっくりきた珍しいラバーなので自分の感覚にもあっているのだと思います。
最近ではカデットで優勝した平塚選手や丹羽選手、松平選手も使用しておりトップでも使用する性能と実績がありますので気になる方は是非沼ってみてください。