なんでジャングルポケットのネタは、あまり刺さらなかったのか。
キングオブコント2020見て、いまだに興奮しております。ヒヒ馬です。優勝はジャルジャル。賞レースでいつも見るジャルジャルが無冠だったことが意外なくらいですが、今回は2本とも面白くて、隣の部屋に自分の笑い声が聞こえてないか不安なぐらいでした(笑) ジャルジャルはYouTubeで毎日コント動画をアップし続けていて、本当にお笑いが大好きなんだなぁと思っていたので、優勝したときの福徳さんの涙は、こちらまでウルっときました。本当におめでとうございます。
その中で、僕が気になったのは、ジャングルポケットのネタなんです!「展開に意外性があったのにも関わらず、なんであまり笑いに繋がらなかったんだろう」と、わりと不思議に考えていたんですよね。
審査員の三村さんが「そっちの方向性にいってほしくなかった」って言っていたんですが、おそらく三村さんだけじゃなく同じことを思っていた人は結構いたんじゃないでしょうか。
ネタの内容は、捕らわれた社長(斎藤さん)と悪者(おたけさん・太田さん)の設定。社長から重要な情報を聞き出すために、社長の娘の情報を伝え、娘に危害が及ぶことを示唆させ怖がらせる悪者が、なぜか「図工で作っているモノ」「持ってる下敷きのキャラ」という娘の細かい情報まで話がふくらんでいき、最終的には、なぜか近所の恋愛事情まで情報が発展していき、その情報に社長がどんどん食いついていくコント。
緊迫した場面で、予想外の方向(情報をひけらかしまくる悪者)になったら、なんか笑いが生まれそうな感じがしませんか?でも、そうはならなかったのは、なんでだろうとずっと考えてたんです。
で、思ったのが「共感」について。
社長は娘の命に危機が迫られている。だけど最終的には、なぜか娘の命より、近所の恋愛事情のほうが気になってしまった。
おそらくここに入り込めなかった人が多かったのかなと推測。普通だったら「いやそれよりも娘の命は…?」という感情を抱くのが普通だと思うんですが、そうはならず、むしろ悪者のどうでもいい情報に食いついてしまった社長に対して、共感しづらくなってきたのかなと思ったんですよね。三村さんの点数が低かったのは、そういう意味でけっこう納得できます。三村さんはリアリティのある気持ちが入ったネタが好きなような気がするからです。
逆に「空気階段」の2本目のような、わりとシュールなネタであっても、「お互いに恋愛感情がある」というところを素直に受け入れられるから、入り込めるのかなと思いました。
お笑い専門家でもなんでもないんですが、ただ「シナリオの意外性」だけじ笑いには繋がらないのかもしれない、人物の気持ちに「共感」しなければ入り込めなくなるのかもしれない、という気付きを残したくて、勢いで書いてしまいました(笑)