#178 時間を捨ててみる

1限に大学院の講義を受けた後、4限に学部での授業の手伝いをするまでに4時間ほど自由な時間があった。所謂、空きコマというものである。空きコマについては今に始まったことではなく、学部の頃から経験しているが、時間の使い方に悩まされるものだ。特に、今回は4時間空くので、かなり長い時間だと言える。

自宅に一旦帰るという選択肢は私には存在しない。私は遠距離通学者であり片道2時間かかる。仮に、一旦帰宅するとなると、往復で4時間かかることになる。これだと当然往復で全ての時間を消費してしまうことになるから良くないといえる。さらに、この4時間というのは、電車を綺麗に乗り継ぐことができた場合という奇跡的かつ非現実的な前提で想定される時間なので余計に好ましくない行動だと言える。

自宅に帰らないまでも、一旦学外に出掛けるという選択肢は現実的にあり得る。お出かけ先として、映画館を思い浮かべていた。最近、私の好きなアニメの映画が期間限定で上映されているということで、空きコマの長い時間を使って足を運べるかもしれないという期待を胸に、上映されている映画館と上映時間を調べた。

その映画は全部で2時間半近く上映されることがわかった。これだけでは現実性はまだ残されていたが、上映開始時間を調べるや否や、不可能であることが断定された。映画の開始時間というのは、電車のように数分から数十分単位で頻繁に訪れるものではないから(当然のこと)、4限の開始時間に大学に間に合わないということが分かったからだ。

その他に、少し遠出すれば昼食をどこかの店でとることぐらいはできそうだったが、そのくらいなら学食で済ませればよい話なので、今回の空きコマは学内で過ごすことにした。

空きコマを学内で過ごすことは学部時代によくあったが、その際は、授業の復習に時間を充てていた。学部では毎日のように頻繁に講義を受けるため、それだけ復習量も多くなる反面、自由な時間が少なかったため、空いた時間を貴重な時間として使用していた。

院では、1限の授業があったものの、復習する時間なら他の日に自宅でじっくりとできるから、空きコマ中に復習しようとはならなかった。

復習しないならスマホをひたすら触るということをしていた。だが、現在はスマホの不要な使用をやめているため、スマホという選択肢は消えた。

残された選択肢はほとんどなかった。ここで、何を血迷ったのか、4時間ひたすら何もせずにボーっとしてみようと決心したのだ。時間があるから何かしなければいけないという風に自分を急かすことに意味はあるのだろうかと最近考えていたことも有り、あえて時間を捨ててみるという選択肢を取った。

続きは次回。

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