働き方と幸福度
こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。
私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。
世界で最も幸福度の高い国と言えばフィンランドです。
驚くべきことにコロナ禍における調査でも、
平均として幸福度は低下していません。
米国調査会社のランキングでも4年連続首位を保っています。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、
人口約550万人のフィンランドでは、
新型コロナウイルス感染症による死者数は805人と、
欧州諸国の大半の国の半分以下に抑えられています。
この時点でも日本の死者数は8869人でした。
「World Happiness Report 2021」では、
フィンランドは「パンデミックの最中、人命と生活を守るのに役立つ、
他者との相互の信頼関係に関する複数の指標で非常に高い順位を示した」
と指摘しています。
ここから、新型コロナウイルスの幸福度への悪影響より、
コロナ禍で得た「他者との連帯感や仲間意識、つながり」のほうが、
幸福度に大きなプラスの影響を与えたと理解できます。
3月19日に国連が世界各国の幸福度のランキングを示した
「World Happiness Report 2021」では、
日本は前年から4つ順位を上げたものの56位です。
しかし日本のサラリーマンは世界でいちばん会社を憎んでいて、
専業主婦の幸福度は低いという話を聞きました。
最近になってようやく指摘されるようになりましたが、
日本経済のいちばんの問題は労働生産性が低いことで、
OECD35ヵ国中21位、先進7ヵ国のなかではずっと最下位です。
日本人は過労死するほど働いていますが、
一人当たりの労働者が生み出す利益(付加価値)は
8万1777ドル(約834万円)で、
アメリカの労働者(12万2986ドル)の7割以下しかありません。
そればかりか、世界の労働者のエンゲージメント
(会社や仕事に対するかかわり方)の度合いを調べると、
日本のサラリーマンは最低レベルで、もっともやる気がないそうです。
それもひとつの調査ではなく、
OECDを含む10の機関でほぼ同じ結果が出ているそうです。
家庭に目を転じると、日本では若い女性の3割が
「将来は専業主婦になりたい」と思っており、
専業主婦世帯は約4割と先進国では際立って高い水準にあります。
しかし不思議なことに、家庭生活に満足している女性の割合を
国際比較すると、共働きが当たり前のアメリカやイギリスでは7割が
「満足」と答えるのに、日本の女性は4割ちょっとしかないんです。
専業主婦になりたくて、実際に専業主婦になったにもかかわらず、
彼女たちの幸福度はものすごく低い状態にあります。
ではなぜ日本がこのように幸福度が低くなってしまったのでしょうか?
私の若いころは、幸福感を指標にすることなどありませんでした。
両親は生活のため、子供たちの将来のために、
一生懸命身を粉にして働いていました。
そのお陰で、私は大学まで卒業することができました。
贅沢をすることもなく、泊りで旅行をしたことなどありませんでした。
兄の高校時代、ラグビー全国大会出場の応援のため、
花園まで日帰りバス旅行にいったくらいです。
あとは家族で観光にいったのは、
江の島に車で日帰り旅行したくらいでしょうか。
しかし私は「不幸せであったか」などと考えることもなく、
楽しく毎日を過ごしていました。
昭和の時代、戦後の復興から高度経済成長期まで、
日本人はよく働いたと思います。父親を見ていて感じました。
その父の姿を見て、なんの文句も言わずに母は父を支え、
家計の為に看護師の仕事をしていました。
既に両親は他界していますが、
私は両親から本当に大きな愛と生き抜く知恵を教えられました。
今の日本は愛と叡智をもっと深く感じるべきです。
与えてもらうことばかりで、与えることが少ないように感じます。
相手をリスペクトすることが欠けています。
核家族化により、家族間の繋がりが希薄になりました。
また情報に無意識に振り回されています。
神社とお寺の区別もできない若者が増えています。
仕方がないんです。未学習なだけです。
利他の精神を取り戻し、愛と叡智のもと、
身近な家族、地域、職場の関係性を取り戻すべきなんです。
相互に関わる、心の経営が必要なんです。
本来日本人は、相互に敬い合い、助け合い、信頼し合い、
ほんのわずかな仕草のうちにも相手に対する思いやりや
優しさを含み持った文化がありました。
住みよい社会というのは、物質的な充足感ばかりではありません。
お互いにお互いをほんの少し思いやる心のある社会こそ、
真に住みよい社会となるのではないでしょうか。
スクラムヒューマンパワーでは、社会の課題を解決する
ソーシャルビジネス事業を展開しています。
「幸福度が低い」という問題に対しても、取り組んでいきます。
思いやりの心、リスペクト、信頼、
人はなぜ働くのか、どのように生きたらいいのか。
私は「考え方」が重要であると感じています。
まずは雇用の在り方から考えていきたいと思います。
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