
人生で大切なことは全て「フリーダムウォーズ」から学んだ。
9/29の夜21時。
徹夜ぶっ通しの勉強と予備校の答練を終えて起床。起きた後も頭が痛くてしんどくてフラフラで眠い。
何気なーくスマホでニュースを眺めていると「FREEDOM WARS Remaster」の文字とゲーム画面が流れてきた。
あぁ懐かしいなぁ。
フリーダムウォーズ、大好きだったなぁ…。
見慣れた字面、見慣れたゲーム画面。
誰かまた過去のゲーム記事でも書いてるのか。
…ん??
待てよ?
そういえば今見てるのニュースだよな??
じー・・・。
うんぇ!?
リマスター!?!?!?
え、嘘だろ!?
あぁいやこれはまだ夢か。
夢なら覚めないでほしいな…。
…いや、やっぱ起きてるわ。
夢じゃねえよ。
なんで今さらフリーダムウォーズ??
とりあえずファミ通の記事を3周。
俺が気になったのは、どうして今さらフリーダムウォーズなのか?
インタビュー記事を見てみると、
プロデューサー塚本高史
ディレクター関哲之介
いや誰だよ。
でも見てみるとどうやら塚本氏はオリジナル版の総監督も務めていたらしい。
まじか。これでも一応フリオ民なんだが。全然知らなかった…。
フリーダムウォーズといえば吉澤氏、保井氏で、この2人の情熱はよく知っているが、塚本氏もおそらく同じだとは思う。
なぜなら、今さらフリーダムウォーズを復活させたのだから。
ディンプスの復活(?)として、選んだとしても、他にも候補はたくさんあったはずだ。
他にたくさんの良作ゲームがあったはずだ。
なのに、フリーダムウォーズを選んだ。
10年前の遺物を持ち出して、SONYにライセンスをわざわざもらいに行って、クソゲーの烙印がついているのにも関わらず…。
外からじゃあ計れない障害がたくさんあったはずだ。
なのに…。
神ゲーに最も近いクソゲー「フリーダムウォーズ」
当時言われてたのが、材料は超一級なのに調理が最悪だったゲーム、だ。
狩りゲー全盛期。モンハンが猛威をふるい市場を座巻してた頃。
その「モンハン殺し」として、当時ソニー・コンピュータエンタテインメントが多額の資金を投じて開発したのがフリーダムウォーズだった。
新規IP。
ゲームの規模は申し分ない。
圧倒的な広告量。
その全てにソニーの本気を感じた。
当時のプロデューサー吉澤氏は上層部から言われたらしい。「ムーブを作れ」と。
結果は売上30万本。
失敗とは言えない数字だが、少なくともソニーはそう考えてはいなかった。
数字の問題以前に、ゲームバランスの崩壊による酷評が相次ぎ、Amazonレビューは大荒れ。
ゲームカタログなどのサイトでも酷い書かれようで、ついにはクソゲーオブザイヤーの候補に選出されたりもした。確か。
ちなみにクソゲーオブザイヤーとはその年の一番のクソゲーのことね。
結局ゲームのストーリーは未完のまま、続編が作られることはなかった。
当時のフリオ民はみな、続編を待ち望んで、それを夢見て、そして消えていった。
フリーダムウォーズは確かにクソゲーだった。
5000時間プレイした俺でもそう思う。
それでも、ゲームそのものは、吉澤氏をはじめとしたゲーム開発陣の本気が伝わる作り込みで、多くの革新的なシステムは間違いなく神ゲーになりえる可能性を残していた。
そのあまりのポテンシャルの惜しさから、フリーダムウォーズはTwitterの一部でこう呼ばれたりもした。
「神ゲーに近いクソゲー」だと。
フリーダムウォーズは何が革新的だった?
当時、フリーダムウォーズ発売前。
実機プレイ映像として吉澤氏とそのスタッフが実際にプレイしている動画が配信された。
芸人や女性声優を交えながら、それは行われた。
1人で敵に苦戦している吉澤氏。
その現場に行くのにモタつくスタッフ。
「イバラで華麗に移動して早く来てくださいねー(^^)」
援護来ず。
吉澤氏、死亡。
うろ覚えだが確かこんな感じで、とにかくグダグダで、ただ一つだけはっきり覚えていることがあって、それは操作があまり上手くないことだった。
いや、もうはっきり言おう。
ヘタクソだった。
あんなんでイバラの良さが伝わるわけあるかいな。
イバラを飛ばし、瞬時に移動できるシステム。
これは当時あまりにも革新的で、発売当時は誰も使いこなせていなかったと思う。
フリーダムウォーズ発売以降、このシステムは形を変えながら数々のゲームで採用され、果ては本家のモンハンでも採用されたことから、このシステムの革新さは歴史が証明していると思う。
フリーダムウォーズの場合、ユーザーがこのシステムに慣れる前に、そもそもゲームバランスが悪すぎて、すぐ離れてしまった。
これは俺も最初プレイしてストーリーを追っている時に思ったことで、今でもはっきり覚えている。
武器強化システムがわかりづらくてやりにくい割に、敵がどんどん硬くなって強くなっていく。
順当に進めていって、確かステージの5-6かそのあたりで時間切れを経験したと思う。
40分の激闘、ひたすら削ったのに間に合わない。
もちろんよく言われる敵の鬼エイム問題もある。
軽く問題点をまとめると
・武器強化が難しい。
・敵が硬い。
・敵CPUの鬼エイム
・操作性
さて、今回のリマスターでこのほとんどが改善するという風に言われてはいる。
しかし、この中で「操作性」だけは、また別問題だ。
フリーダムウォーズは操作に慣れると、本当にキャラクターを意のままに操ることができる。
圧倒的なスピード感の中でキャラクターを自在に操れる感覚は、それだけで楽しい。
これを体験してしまうと他のゲームじゃ遅すぎて物足りない。
それを実現している根幹にあるシステムがイバラ。
しかし逆に言えば、イバラを使いこなせなければ、このゲームである必要はないのだ。
だってイバラ以外は、他のゲームの方が優秀だから。
いくらでも神ゲーはあるから。
じゃあそれでいいじゃん。
10年以上前のゲーム。
旧時代のグラフィック。
元は携帯ゲームという小さなスケール。
ストーリーの出来は二流。
さて、他に最新の神ゲーが並ぶ中、なぜフリーダムウォーズじゃなきゃならないのか。
その理由がイバラ。
たったひとつ、これだけでフリーダムウォーズは他を圧倒するポテンシャルを秘めている。
フリーダムウォーズを5000時間プレイした理由
フリーダムウォーズには共闘戦と対人戦がある。
共闘戦は一緒に大型の敵に挑む戦闘。
対人戦はプレイヤー同士による4vs4の対戦。
このうち、俺は対人戦をメインにプレイしていた。
そして、そこで一つ言われていたことがある。
「1000時間まではチュートリアル」
何を言ってるのかわからないと思うが、俺も何を言ってるのかわからない。
ただ一つ言えることは、1000時間を超えたあたりから急激に面白くなるということ。
それはプレイヤーがイバラの操作性に慣れたことを意味している。
これは仮説だが、イバラが最も活きる環境は対人戦だと俺は考えている。
こういったゲームの対人戦において、‘’行きたい場所に瞬時に行ける‘’というのはもはやバランスブレイカーであると思う。
だってそんなことができれば簡単に敵の背後を取れるし、なんなら真正面からでもほんのわずかな隙がありさえすれば一瞬で進撃できる。
そんなチートが存在していいわけない。
そんなものがあれば敵はどこから現れるかわからないし、こっちだって攻め方を無限に生み出せてしまう。戦術もなにもあったものじゃない…。
ようこそ、フリーダムウォーズの世界へ。
そのチートを4人対4人の合計8人全員が所持しているのがこのゲームです。
はい、クソゲーです。
こんなゲーム他にない。体験したことない。
だからやめられない。抜け出せない。
これしかないから、ここに戻ってきてしまう。
気づけば5000時間ですよ。
人生で大切なことは全てフリーダムウォーズから教わった。
人生で誇れることは何一つ無い。
何も経験してこなかった。
何も成し遂げてこなかった。
俺は空っぽの人間だ。
でも、もしゲームの世界も含めていいのなら。
俺はフリーダムウォーズだと答える。
俺は現実世界で、1人も真に友達と呼べる人間がいない。
誰かと遊びたいとも思えないし、誰かと一緒に飲みたいとも思えない。
仕事上の付き合いでしか、人と会ったことはない。
でも、ふと思う。
アイツとなら…会って遊びたいな、とか。
夜通し一緒に飲み明かしたいな、とか。
それは一緒に死線をくぐり抜けた盟友だったり、いがみ合ってきたライバルだったり。
俺は誰かと本気で競い合ったり、誰かと本気で喧嘩したことはない。
だから何も経験したことのない空っぽの人間だ。
でも、フリーダムウォーズでは経験してきた。
今の俺の中にある勝負哲学は全てフリーダムウォーズから得たものだ。
勝負の世界っていうのは、細かいことの積み重ねで決まったりする。
たとえばアクセを処理することは、ぱっと見その行動がどれだけ影響しているかはわからないが、全体には確実に影響している。
ほかにも壁立てだったり、バフだったり、味方の補助だったり。
それをしている味方がいる時は勝率が体感でわかるくらい上がる。
だから敵として相対したとき、それがプレッシャーとなって現れる。
あぁ、あの人はやばいって。
対戦画面に名前が表示されてるだけで、この試合はちょっとやばいとか負けるかもとか思ったりする。
“神は細部に宿る”って言うけど、まさにその通りだと思う。
え?何を言ってるかわからないって?
フリーダムウォーズをプレイすればわかりますよ?(^^)
何度も喧嘩したヤツのこともずっと覚えてる。
対戦したのが昨日のことのように思い出せる。
自分のやり方や意見や信念をぶつけて、何度も仲違いして、自分は正しいのだと勝負で証明する。
タイマンで相対した時は、もう全てのしがらみを忘れ、ただワクワクして、心の奥底から感情が溢れて体が震えだすのを感じる。
「あぁ、楽しい…」って思う。
友情も、勝負も、生きる楽しさも。
今の俺はフリーダムウォーズが作ってる。
なにもかも。
もう10年か。早いな…。
またアイツらに会えるって思うと、本当にワクワクする。
夢にまでみた光景がとうとう現実になるんだよな…。
まさかこんなに早く実現するとは思わなかった。
2年ほど前、フリーダムウォーズの前デザイナー保井俊之氏が独立して会社を立ち上げた。
そこに“Project Shaz”という言葉が登場し、フリーダムウォーズの精神的続編を作るという発表が会ったときは本当に喜んだ。
まだ5年以上は先になるだろうと思ったし、何かの形で応援したいとずっと思っていた。
来年に試験合格し、就職して、お金を稼いで、出資という形で応援できれば最高だなと。
しかしまさかそれより先に夢が実現してしまうとは。
来年1月発売って、試験直前じゃん。
お金もないし、どうしよ。
いや、がんばろう。
みんなと会うためにも、ちゃんと試験がんばって、乗り越えよう…。
…やっぱり現実ってのはつらいな。