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中学受験が終わり、進学してから起きること

ひぐらし坂の母でございます。

数年前に中学受験を終え、無事に開成中学に合格しました。
このnoteでは息子の中学受験を振り返り、親子のメンタルを最強にするための考え方をお伝えしています。

中学受験は究極的には【親子のメンタル】が重要です。
特に【母親のメンタルが9割】というのが私の持論です。
このnoteの基本姿勢はプロフィールをご覧ください。

さて。
中学受験も終わり、進学先も決まりつつあるこの時期。
まずはおつかれさまでした

中学生活への期待と不安が入り乱れているかもしれませんが、中学受験をして進学したからこそ起きることがあります。

今までとは違うのです。

偏差値50

小学校生活の半分を受験勉強で駆け抜けた中学受験生ですが、いよいよやっとそれぞれの中学に進学します。

第一志望に合格した子もいれば、不本意だった子もいるでしょう。
一説には第一志望に進学できるのは全受験生の1割ともいわれています。
いずれにせよ、中学受験という子供にとってはものすごい山場を乗り越えたわけです。
本当におつかれさまでした。

春から進学する中学に思いを馳せて、ワクワクドキドキしているとは思いますが、これからの中学生活に起こる話をします。

これは超進学校といわれる学校ほど顕著に起きることですが、おそらくどの偏差値帯の学校でも経験することでしょう。

学校には中学入試を経て、ふるいにかけられた子たちのみが集まります。
要するに、最低レベルが統一されているわけです。
どこの学校にも突き抜けた子はいるものですが、入試で選別されている生徒は設定された最低ラインを越えた子たちというわけです。
偏差値というのはその学校における最低ラインのことだからです。

偏差値というのはある集団のなかでの分布のことなので、たとえばSAPIX偏差値というのはSAPIXという集団のなかでどのあたりの位置にいるかということを示す数値です。
SAPIX偏差値60というのは偏差値20があるから存在するのです。

中学受験を経た学校ではこの分布が輪切りにされています。
SAPIX偏差値60の学校ではそれが偏差値50の世界になります。

開成でもそうなのですが、SAPIX偏差値の高い学校に進学すると衝撃が大きくなります。

なにせ小学生までは学校で一番、というかその地域で一番だった子が、開成に入ったとたんにそれが普通の子になるからです。
開成にいる子が全員どこかの地域の一番だった子ばかりなのに、入学したとたんにそれが偏差値50の世界になるわけです。

いままでなら学校のテストは何もしていなくても満点だったのに、どれだけ努力して勉強してもトップどころか、下位になってしまうこともあります。
ほぼすべての子がいままでとは違う感覚を経験します。

普通に平凡だった自分を受け入れる

トップ校に来る子は最初は皆、自信満々です。
小学校や塾では常にトップクラス、常に「すごいやつ」と思われていた子ばかりだからです。
そんな子が、いきなり平凡な存在になってしまいます。

進学した学校が、自分とほぼ同じ程度にテストができる子を集めた学校だからあたりまえのことです。
しかしながら、中学生になったばかりの子どもには大きな試練になります。
できる子ほどそのギャップに苦しむのは容易に想像できます。

どの学校にも、それほど必死に努力していなさそうなのに超人的にできるやつがいます。
努力という範疇を超えた存在とでもいいましょうか。
もちろん超人的に努力ができるやつもいます。
そういう存在とふれあって、世界は広いことを実感するのです。
井の中の蛙だった自分に気が付くのです。

ただし、それに気が付いたところで腹に落とせるかどうかは別問題です。
中学受験を意識したときから勉強のできた子たちが、自分は平凡な存在だったということを認められるようになるまでは少々時間が必要です。
思春期も重なり、ただでさえ精神的にも不安定な時期。
勉強に身が入らなかったり、反抗したり、生活が乱れたりすることもあります。
それは自分の存在を認める戦いでもあるので、親はじっと見守ることしかできない我慢の時期です。

よく、自分の偏差値よりも少し低い学校に行けば深海魚にならずに済むという話を聞きますが、私は実力相応のところで自分を見つめて成長することが貴重な体験だと思っています。
共に青春時代を過ごす仲間、環境はとても重要です。
ここで妥協は無用です。

おそらく中学受験が一般的でない地域では、高校を卒業するまでこういう経験をしないのではないでしょうか。
東大に進学した地方の秀才が、同級生のレベルの高さに圧倒されてアイデンティティが揺らぐという話をよく聞きます。

中学受験をすることで得られる大きな財産の一つが、自分を平凡な存在だと認識できる環境に身を置けることでしょう。
井の中の蛙にならずに、鼻をへし折られる。
そこから自分の価値を見出し、自分の強みを伸ばす。
ものすごく大変なことですが、中学高校時代にそこに向き合えることは本当に素晴らしい経験です。
プライスレスです。

勉強以外の価値を認める

学校生活に慣れて落ち着いてくると、テストでトップを取れないことに疑問やイラつきを感じることもなくなります
そのかわりに、自分が譲れないもの友人の強みに対して敬意を払うようになります。

テストでは活躍できなくてもラグビーが強い、足が速い、ピアノがうまい、電車に詳しい、プログラミングがすごい、ゲームがうまい、YouTubeで収益を上げている・・・などなど。
友人それぞれにすごいところがあり、それを認め合うようになります。
勉強ができることだけがすごいことではなくて、それと同様にそれぞれの強みに敬意を持ち、お互いをうまく利用しあいます

中学受験までは勉強ができることがなによりも強い判断基準だったものが、どんどん多様化していきます。
高校受験はせずに6年間過ごせるので、たとえ中学3年間は勉強をおろそかにしてしまってもなんとかなります

人間的に大きく成長し、今までは親の言うことに従順だった子もどんどん自立していきます。
中高6年間、自分に向き合える貴重な時間となります。
そう考えると中学受験の財産は大きいですね。

中高を大学受験までの準備期間とするのではなく、その時期だからこそ得られる貴重な成長の時期ととらえると、塾にいかせて大学を目指させることだけが正義というわけではないのです。

そのうち子どもは学校の仲間と共通認識・共通言語を持ち、いちいち面倒くさい説明をしなくても通じる心地の良い環境を手に入れます。
そうなればもう心配いりません。
学校生活を十分に楽しみ恵まれた環境を享受できるでしょう。

親は親で自立して人生を楽しむのみです。

母親のマインドチェック

・今までと違って自分と同程度の子どもたちしかいない環境になる
・そこで自分のアイデンティティを模索する時期
・今までみたいにいかないことが多くなる
・親は試行錯誤して成長する子どもを見守るのみ
・中高6年間は成長のための貴重な時間
・子どもは自立するので、親も自立しよう

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ひぐらし坂の母
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