見出し画像

何もしない日々|はじまりのところ

 1週間と言われた検査入院は、3泊4日であっさり終わり、説明は外来で聞きに来てくださいとのことで、多分大丈夫だったものと思われる。
 マズイ事になってたら退院させないもんね、きっと。入院のときみたいに引き止められるはず。
 あっけなく私の「何もしない日々」は幕を閉じ、普通に会社に行っている。

 43年、特に大きな病気も怪我も無く、骨折も盲腸も未経験の私が初めて入院したのが面白くて、記録というか日記のようなものでも書いてみようと思って、こうして書いている。

 物書きでもなんでもない、ただの会社員の単なる日記。
 他人が読んで面白いのかどうかは知らん。まあいいか。もしかしたら、何処かの誰かの役に立つなんてこともあるかも知れないので、経緯とか色々書いてみる。

 そもそもなんで入院する流れになったかといえば、頭痛とひどい倦怠感が続いた日があって、まずそれでかかりつけの病院に行った。
 頭痛は頭に杭が刺さってる感じで場所が特定された痛さの日と、頭に中華包丁が刺さってる感じの面的な痛さの日があった。
 それで、とにかく怠い。もう横になりたくてしょうがない。座ってるのも疲れるって感じでほぼ2日間寝倒した。
 ただ救急車を呼ぶほどではないような、でも自力で病院に行くほど元気じゃない…と思って、結局、動ける程度に回復してから病院に行った。
 そして自分からCTとMRIの検査をお願いした。というのも、身内に脳血管系の病気を患った者が居たからね、一応念の為。
 で、動脈瘤かもって言われて、大きい病院へ…という流れ。

 個人病院と総合病院では、やはり導入されてるMRIの程度が全然違うようで、瘤があるように見えるだけって事もあるから、高性能の機械で調べてもらってねという事で紹介状を書いてもらった。

 それで、総合病院、脳神経外科に行ったんだけど、すぐに検査してもらえるのかと思いきや「個人病院の機械はね、あんまり性能良くないからね」という謎の機械マウントから診察が始まり「ウチの機械でもう一回検査してみましょうね」
 ええ、先生。だから来たんです。と思ったけれど言わず、結局3時間待って今日私が来た理由を何故か医師から告げられる、検査の日程を決めただけの日だった。
 午前中で診察は終わったけれど、不毛なので午後はそのまま会社を休んだ。

 それから検査の日までは、結構おっかなびっくり過ごしてた。動脈瘤というのは血管がぷっくりと膨れてコブになり、パチンと弾けたらクモ膜下出血という状態。つまり突然死ぬかも知れない。
 死ぬ事そのものは、まあしょうがないんだけど、突然は困る。運転中とかだったら事故で他人を巻き込む恐れもある。それに色々消しておかないと不味いデータもあったりする。
 だから、重いものを持ち上げるとか、走るとか、なんか血圧が上がりそうなこととか、なるべく避けて過ごしてた。

 そうして約1週間後、ようやく高性能MRIとご対面、初めての入院となったのでした。

いいなと思ったら応援しよう!