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東洋医学講座 331
肺と鼻
相学による鼻の見方
鼻の見方とバランス
鼻の形や小鼻の大きさなど、鼻が示す相学は多く研究されています。ここではその基礎的な見方について述べます。
まず、鼻に限らず何でも全体とのバランスが大事です。大き過ぎても、小さ過ぎてもいけません。例えば、外向的象徴である鼻が大きくても、腎根である耳が小さいと根っこの力を消耗してしまいます。鼻ばかり大きくても他の部分が小さいと短命となることがあります。大きいなら他の部分も大きくなくてはなりません。この世は常に均衡や水平作用で成り立っており、これがうまくバランスが取れている時が最も力を発揮できます。
やたらと鼻が高い人は自信過剰で引っ込みません。逆に、鼻の低い人は少し失敗するとすぐに引っ込んでしまいます。どちらも一長一短ですが、やはり平均しているのが一番です。
病気になると気も偏り、それが形の変化として表れます。慢性の病や重症の場合ほど顕著です。したがって、外に表れるものからその人の性格を知る訓練が必要です。
次に、大きさや形とともに、活気や血色を見ることが大事です。形が良くても活気と血色がなければなりません。活気や血色はその人の現在の質的状態を示しています。相学では現状を見る、現状をつくっている後天の生活を見る、そして先天の質や力を見るという三つの時間的な見方があります。
先天は骨格や骨の太さなど、骨組みを中心に見ます。骨は腎が司るところで、親から受け継いだ腎精の力や質が表れます。後天生活は肉付きで見ます。肌肉は脾が司るところで、先天の腎力を脾化肉付けしたかが表れます。
例えば、鼻はしっかりして大きいが、肉が落ちているというのは、先天の力を十分に伸ばしきれずに悪い後天生活をしていることになります。他の部位の状態を見れば原因も大体分かります。現状は血色や活気、艶、皮膚の硬軟、脈で見ます。
活気がなくても肉付きが良ければ、現在の症状は一時的なもので治りますが、肉付きも活気も悪ければ、長年の悪い後天生活の積み重ねによるものであり、すぐには治りません。以上の三つの見方は、相互に区別しながら相互に比較して見ることが必要です。全てに順序と組み立てがあります。