東洋医学講座 333
鼻を相学でみると
鼻小で、鼻孔大の人
鼻小、鼻孔大の人は、脾土の母の力が小さいのに対して、肺金の力が大きすぎるために、脾土の総合体力(脾力はその人の総合体力を表す)を子が消耗してしまうことになります。人はどうしても自分の中の強い部分を中心に、その水準で動いてしまうからです。総合体力がなくなると、当然病気になります。症状はその人の弱点に現れますが、肺にとってはやはり母の力が弱まるため、肺そのものが病気になるわけではなく、肺が司っている鼻や皮膚、大腸などに症状が現れます。これが肺疾という意味であり、必ずしも肺そのものの疾患ではなく、肺機能低下の症状全てを含みます。最初に肺が100の力を持っていても、肺の水準で動けば、脾母の力を一層消耗することになり、やがて自分自身にも影響が出てきます。全体の活動水準を弱い脾母の水準に合わせて生活すれば、簡単には病気になりません。
鼻やせて、鼻孔大の人
「鼻やせている」というのは、以前はそれなりの肉付きがあったのに、後天的な脾機能低下生活によって肉付きが悪くなった状態を指し、鼻小とは少し異なります。鼻小は、鼻の骨組みがもともと小さいことを意味し、先天的な脾弱を示します。
鼻がやせて鼻孔が大きい場合も、脾母が小さく肺子が大きいため、肺機能低下の症状に注意が必要です。しかし、鼻小と違って、後天的に脾が弱まっているので、脾を養生すれば良いのです。脾を養うコツは、大量に食べずに、質が良く消化しやすいものを少量、よく噛んで食べることです。特に風邪をひきやすい、扁桃腺が腫れやすい、気管支系統が弱い人は、脾を養生する必要があります。しかし、多くの人は栄養をつけようと大量に食べてしまいます。特に鼻が大きい人は普段から食欲が旺盛なので、節食するのは難しいです。まだ腎に力があれば、消化液(腎が司る)がどんどん供給されるので、多少余計に食べても問題ありません。しかし、腎力がないと、脾が急激に衰えて、すぐに肺に影響が出てきます。