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東洋医学講座 351

肺と白色

色は、その物質が持つ性質を表し、各々の資質の違いを示しています。太陽光線そのものは白色であり、その白色が物体に吸収・反映され、各色に変化したものが人の目に映ります。つまり、白色は他の色に変化できる原色です。

四季では、白を金気に配当し、西方の働きの象徴を白虎と称しています。九星でも、晩秋の働きを六白金星といい、ここを天門として、大始として、四季の出発を示しています(色の出発は白)。戌・亥では陽気が地中に沈み、地上は生気が空無となり、地気を含まない偏天の気のみとなります。これを神無月といいます。無は白のことです。

易経にも、天地不交して否塞することを告げています。この晩秋の気は、地上の天と地中の地気が地上では交わっておらず、交わっても少ないです。地上は純天の気のみで白色となります。

人体では肺気を白として、天気・大気の呼吸をはじめ、皮膚生理も含めて外気圧と体内圧のコントロールを行いながら体を守っています。

白色を持った肺気が強く巡るのは秋と冬で、秋と冬は心臓の赤色が内沈して、表皮は白気を多く帯びています。絶えず白色を呈する人、または色白の人は、肺気が過ぎているため、肺に変動を持つことがあります。また、他が弱いために肺が強く負担がかかっているためです。つまり、肺系や肝系に無理がかかりやすいタイプです。肺疾は白蠟の如しといわれ、肺を病んでいる人は皮膚に艶や活気のない白さを呈します。

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