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(ほぼ)1ヶ月で牛骨ラーメンを25杯食べた話。【出会い編】


みなさんは牛骨ラーメンをご存じだろうか?
牛骨からとったスープが金色に輝く、鳥取県のソウルフードだ。

昔ながらの牛骨ラーメン

いつからか鳥取県内で提供されてきた牛骨ラーメンは、特に盛り上がることもなく、スタンダードな味として地元民に長年変わらず愛されてきた。

それがここ10年ほどで話題になり、カップ麺まで発売された。

そして、2023年11月、鳥取県米子市という世界どころか日本の片隅オブ片隅で、市内の牛骨ラーメン店を舞台とした超絶crazyなイベントが幕を開けた。

その名は、"米子牛骨ラーメンスタンプラリー"

スタンプラリーの応募用紙


そもそも牛骨ラーメンって何?豚骨じゃないの?という牛骨ルーキーズにはまず到底理解できないイベントである。

参加している牛骨ラーメン店25店舗を訪れると応募用紙にスタンプが押してもらえ、そのスタンプ数に応じてグッズプレゼントに応募できるという企画だ。

応募できるグッズは5店舗で手拭い、10店舗でレンゲ、15店舗でどんぶりと、ここまでは至って普通のスタンプラリーだ。期間内に5店舗、10店舗くらいは周れるだろう。

ただ、このスタンプラリーにはさらなる上のプレゼントが用意されていた。

25店舗制覇…牛骨パーフェクトTシャツ

これに関しては抽選ではなく、制覇者全員にもらえるプレゼントだそうだ。よかった。

牛骨好きにはたまらないプレゼントグッズ

ただ、よくよく考えてほしい。

このイベントの期間は11月3日から12月31日までの2ヶ月。およそ60日。

つまりは60日で25杯。

制覇するには2日に1杯のペースで牛骨ラーメンを食べる必要があるのだ。狂気。

いやいや、どこだよこんなイベント企画したところは…そもそも"牛骨ラーメン同盟"ってなんだよ…。

調べてみると牛骨ラーメン文化を盛り上げるべく鳥取県米子市内の牛骨ラーメン店で組織した同盟らしい。

この同盟、方向性は正しいが、明らかにテイストがおかしい。

ホームページは担当者が金色の牛骨スープを点滴で動脈に流し入れながら作ったとしか思えないテイストで仕上がっている(褒め言葉)。

【米子牛骨ラーメン同盟ホームページ】

同盟のポスター(すでにテイストがおかしい)

今思えば、このホームページを見た時にすでに自分は牛骨にやられてしまっていたのかもしれない。

「牛骨ラーメンを食べたい。制覇したい。」

その思いに正直に、素直に、早速市内で牛骨ラーメンを提供する"たかうな"へ向かった。

たかうなの入り口

ここをくぐれば俺の戦いが幕を開ける。

「常にパーフェクトを目指せ。」

平成の経営の神様、故・稲盛和夫氏の言葉が聞こえた気がした。

席に着くなり牛骨ラーメンを注文。
店内はラーメン屋とは思えない落ち着いた雰囲気で、かなりおしゃれ。

少し待つとラーメンが出てきた。
スタンダードな牛骨ラーメンの特徴である黄金のスープが輝いている。

牛骨ラーメンの特徴・黄金のスープ

トッピングのもやしとネギがこのスープに絶妙にマッチするのだ。

あっという間に麺を食べスープを飲み終えた。

お会計を済ませてスタンプラリーの応募用紙をもらおう。

そう思いながらも席を立つ前に、スマホでインスタにアップされていたスタンプラリーの概要をもう一度確認した。

そこには書いてあったのは、


開催期間11月3日〜


待てよ?

自分は違和感を感じ、画面をもう一度確認し、さらにもう一度画面を見た。

…。そう、今日は11月2日である。

あろうことか自分はフライング牛骨をかましていたのである。

2ヶ月で25杯食べる必要があるにもかかわらず…だ。

この事実に負けぬよう、ウォーミングアップだと自分に言い聞かせ帰路についた。

翌日の11月3日、全米(全米子)を巻き込んだ牛骨ラーメンを巡る狂気のイベントが幕を開けた。

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