がんばろう! 社会教育
はじめに
初めて記事を書きます。今、思っていることです。視野が狭く、思い込みの強い内容になっていす。不十分な構成、不適切な表現などもお許しください。
先生の辞書に「いたしません!」はない
令和2年2月27日、安倍首相が臨時休校を要請した。私が勤務していた自治体では、3月3日から春休みの前日まで休校となった。卒業式は6年生とその保護者のみの出席で、修了式は放送で実施した。
私はここで退職となり、現職の先生方にはたいへん失礼だが、今は緊張から解放された日々を送っている。
先生方は、授業の他に教室の消毒や清掃作業、子どもたちの体調チェックなどに追われているとのこと。授業のことに時間を費やすのは当然だが、教員免許がなくてもできることにまで時間をかけなければならない。どちらかと言うと、後者にかける時間の方が長い。TVドラマドクターXの医師免許以外のことは「いたしません!」が、これまで学校では言えなかった。人も金もない学校は、先生の善意で運営されてきた。私も38年間、「いたしません!」とは言ったことがない。ポスト・コロナ、そして働き方改革の今、もう言ってもいいのではないかと思う。
東日本大震災の教訓
正確な記憶でなくて申し訳ないが、仙台市だったかが実施した調査で、「地域学校協働本部が機能している学校(地域)ほど、避難所の運営がスムーズだ。」の結果が報告されている。
コロナ禍の学校運営でも、きっと同じことが言えると思う。普段から学校と地域がつながっているところは、きっと地域住民が先生任せにはしていないはず。
東日本大震災後も文部科学省は地域学校協働本部事業の実施やコミュニティ・スクールの仕組みを実現しようとしているが、少なくとも私が退職時に勤務していた自治体では進んでいない。おそらく東日本大震災の教訓も教育委員会職員に知られていないと想像する。私が居住している自治体は、すべての学校がコミュニティ・スクールになっているが、地域住民の一人として学校の変化は感じられず、市として花火を打ち上げただけとしか思えない。
休日部活動の地域移行
先日、学校における働き方改革推進本部で、部活動の地域移行が議論された。
私自身、教員を志した理由の一つは、部活動の指導がしたいからだった。でも、今は、部活動は地域に移行するべきだし、その第一歩として休日の活動を移行することに賛成する。
今回、文部科学省はかなり本気だなと思うが、今の状況(学校もだけど地域の状況)だと失敗しかねないとも思う。
学校週5日制が完全実施される前後、土曜日の子どもたちの活動充実ということで、さまざまな事業が実施された。その頃、私はPTA役員を務めていて、その事業実施にかかわっていた。ある時、かかわってくださっている地域の方から、不足を言われたことがある。それは、「親は子どもを送って帰ってしまい、事業に一緒に参加しない状況」を見てのことだ。その不足はよく分かる。PTA役員の私も同感だし、改善しなければならない課題だ。
しかし、考え方として、土曜日の活動の充実は、地域の将来を担う子どものためなのだが、それはすなわち事業にかかわる自分自身のため、自分の喜びや成長のためと考えれば、不足の度合いも低減されるのではないかというのが私の考えだ。
「社会総がかりで」と言い続けて
学校教育と社会教育の連携とか、地域で子どもを育てるとか、ずっと言われているけど、全く進んでいない。
教育委員会は学校教育が中心で動いている。将来を担う子どもたちにかかわることなので、当然と言えば当然だ。でも、どうして社会教育を巻き込まないのだろう。
社会教育は事業の参加人数ばかり気にしている。地道な教育活動が行われているとは私には感じられない。事業実施だけなら首長部局の担当課でも可能だ。社会教育の存在意義にもかかわることだと思う。現に、社会教育の担当部署が教育委員会にない自治体があるようだ。教育委員会、特に社会教育関係者にそんな危機感はあるのだろうか。
生涯学習社会の構築を
私が退職時に勤務していた自治体の隣の自治体の令和元年度「教育の指針」に、「目指す市民像」が明記された。
これは画期的なことだと私は思う。
どこの自治体も目指す児童生徒(子ども)像は書かれている。偏屈な私に言わせると、「うちの自治体の教育は子どものためだけに行われるんですね。私たち大人は対象ではないんですね。」となる。
教育委員会は当該自治体のすべての住民の学びに携わるはず。ならば、目指す市民の姿を明らかにし、そのために学校教育をどのように充実させるのか、そして、大人は子どもたちのモデルとしてどのように学び続けるのか、を考え実践するのが教育委員会だと思う。
子どもも大人も学びの成果を生かし合うことが大切ではないかと考える。
そうしてコロナ禍を乗り切り、部活動が地域にスムーズに移行され、働き方改革が進み、子どもも大人も自己実現できる社会になればいいなと思います。