The Who 新作 『WHO』 レビュー
まぁ、レビューって書いたけどただの感想っす。
The Whoの新譜が発売されたので、感想文を書いてみます。
ツイッターとかでぽちぽち呟くよりも何となく纏めて書きたいなぁと。
前作『Endless Wire』から13年ぶりとなる今作。
ロジャーが発言した「四重人格以来の傑作」がやたら宣伝ワードになってたが、(帯にも書いてあった)果たして…
とりあえず、順番に1曲1曲いきます!
1.All This Music Must Fade
アルバム発売前に先行シングル第2弾として発表されてた曲。
ぱっとネットの反応を見た感じでは3つの先行シングルの中では1番盛り上がってたんじゃないかな。
YouTubeの再生回数的に見ても一目瞭然です。
実際、僕も先行シングルで1番テンション上がったのはこの曲でした。
ピート・タウンゼントらしい皮肉めいた歌詞と、何よりこの曲調、疾走感はThe Whoが好きって言う人で嫌いと言う人はいないはず。
そんな曲のド頭で「お前らがこの曲を気に入らないのはわかってる」って言われたら、まぁ、、ふつうに痺れますよね(笑)
曲の構成自体は歌詞にもある通りシンプルな曲。
正直、今までThe Whoを追ってきた人たちにとってはほぼ何も真新しさは無い。
だけど、先行シングルでは1番盛り上がっているわけで。
なぜかって言ったら、結局はThe Whoのファンたちはこういう曲を求めてる人が大半だってことだと思うんですよね。
The Who(そしてピート・タウンゼント)の曲にはいろいろな側面、タイプの曲があって、例えば今では1番の代表作と言っても過言ではない「Baba O'Riley」だったり、
最早バンド云々に留まらず誇張抜きにロックの歴史の一部にもなっている「My Generation」などなど。
そしてThe Who、ピート・タウンゼントを語るには避けては通れない《ロック・オペラ》。
代表的な作品としては、上の69年作の『Tommy』、73年作『Quadrophenia(四重人格)』などなど。
前作の『Endless Wire』にもその要素は盛り込まれていました。
The Whoと言えばロック・オペラ!的な紹介も少なくはないので、The Who未体験者にとっては取っつき辛い1つの要因である気がしないでもないんですが、聴いちゃうと実際はそんな壁になるほど対したことないんで(笑)是非是非気軽に聴き始めてみてください〜〜
まぁ、簡潔に言うとロック・オペラ云々、ピート・タウンゼントのアーティスティックな曲云々よりもシンプルな曲を大半のファンは待っているってわけです。という考察です。
「I'm A Boy」みたいな曲がずっと出てればみんな満足しちゃうんです、たぶん。いや、めっちゃ好きな曲ですけどね、アイムアボーイ。
所謂ピート・タウンゼント"らしい"ロック・オペラ的な曲を発表しても世間からの評価はThe Whoらしいとはならずに、単にピートのソロっぽいで片づけられてしまう傾向にある気がするんですよね。
前作『Endless Wire』は正にそんな感じの世間のリアクションだったような気がします。
僕は正直The Whoが好きでありながらもそれ以上にピート・タウンゼントが好きなヤツ、ですので、どちらも大歓迎なのですが。
と、この話題は沼のような話題なのでそろそろ切り上げたいと思います。
つまり、そう、結論として、このアルバム1曲目の「All This Music Must Fade」は、そう言った複雑怪奇なファンの気持ち、欲望を最高の形で満たしてくれた楽曲なのだ!素晴らしい!
2.Ball and Chain
2曲目です。
こちらが、先行シングル第1弾として発表されてましたボールアンドチェインなんですけど、実はちょっと前に出たピート・タウンゼントのソロのベスト盤に新曲として収録された曲でもあるんですね。その時のタイトルは「Guantanamo」でしたけど。
これぞピート・タウンゼント的SFロック!って感じの曲で、発表された時は結構聴いてました。
僕の好きな曲で、ピートのソロ作、『Another Scoop』収録の「Ask Yourself」というのがあるんですけど、なんかそんな雰囲気も一瞬感じ取れる曲で好きでしたね。
で、今回発表されたバンドバージョン。
かっこいいじゃないですか!
イントロのピアノが入ってくるとこで一気に空気が締まります。
ピート版と比べても甲乙つけがたい出来。
バックのアレンジがちょっと大人しめになったかな?くらいで特に曲調的にも変わりない感じです。
アルバム発売前のライブでも新曲としてお披露目されてました。
1つ疑問だったのは先行シングル第1弾がなんでこれなんだろ?ってこと。
正直、「All This Music Must Fade」でよかったっしょ、みたいな気がしなくもないですけどね。
一応、ピート版でも知ってる曲だったし、インパクトは少なめでした(笑)
なんにせよ、佳作であることには変わらないですけど。
3.I Don't Wanna Get Wise
3曲目は最後の先行シングルとなったこの曲。
これまたシンプルな曲。
これもアルバム発売の頃には他の先行シングルと同様大好きな曲になってました。
が、実は、1番最初に聴いた時はちょっとパンチが足りないように感じて物足りなさもあったんです。
しかししかし、なんせサビのメロディが耳に残っちゃって。
何度も聴いていく内にまんまとハマっちゃっていきました。
意外なスルメソングかもしれないです(笑)
4.Detour
4曲目はこの曲。
タイトルからThe Whoの前身バンド、Detoursを連想させます。
この曲は聴いて一発で気に入りましたね。
このボ・ディドリー調、マジック・バス的ビートはThe Whoの十八番。
テンション上がります。
歌詞の内容もいいですね。
大切なのは"回り道"をすること。
5.Beads On One String
この曲、めっちゃ好きです(笑)
1周目聴いた時はめちゃくちゃ印象に残ったわけではなくて、何か端っこの方にシコリのように記憶に残っていた感じなんですけど。
2周目、3周目でやっぱいいよな(笑)と。
イントロなんて流行りのローファイバンドの曲が始まんのか?!って感じの雰囲気だし(いい意味です)、ロジャーが歌い出すともう完全にThe Whoなんだけど、新境地開拓って感じだし。
ビューティフルな曲ですねぇ。
ピートのやりたいことを極限までThe Whoに寄せて仕上げたって印象。
あと、この曲はJosh Hunsackerって人とピートの共作なんですよね。
グッジョブです、Josh。
6.Hero Ground Zero
きました、ヒーローグラウンドゼロ。
この曲も2曲目「Ball And Chain」同様にアルバム発売前のライブで新曲としてお披露目されてました。
前述のように、「Ball And Chain」は、ピートのソロでも知ってる曲だったので、純粋な新曲としてはこの「Hero Ground Zero」の方が、印象的な訳ですね〜。
ザ・フー的でもあり、ピート的でもあるってのがしっくりくる気がします。
こうやってアルバム音源を聴くと、ライブでの再現度はなかなか高かったんだなと思わされます。
withオーケストラも相まってなかなかな迫力の壮大な曲になってました。
歌詞の内容もthat'sピート、ライフハウス的SFロックですね。
佳作です。
7.Street Song
アルバム発売前はピートのインスタグラムのコメント欄を読むのが暇つぶしの一つとなっておりました。
意外と情報量が多いので要チェックや。
そんな中で見つけたコメント。
僕は英語、全く出来ないのでGoogle翻訳で行ったり来たりしながら読んでくわけなんですが、質問内容が、
「ハイ、ピート、今度出る新作の中であなたが最も誇りに思ってる曲はなんですか?」(記憶曖昧なのでざっくりした要約っす)
ファンとしてはめちゃくちゃ気になる質問ですよね。
その答えとして挙げていた曲が、この「Street Song」なんですよね。
今のところ自分的にはいい意味でも悪い意味でもピンとは来てない曲なんですけど、途中のブレイクのところとかはFace Dances期を彷彿させて好きですね。
8.I'll Be Back
この曲、対訳片手に読みながら聴いていたら、感動してしまいましたよ(笑)
なんか、ピート、アルバム発売前のインタビューかなんかでノスタルジックな雰囲気は出したくないみたいなこと言ってませんでしたっけ!!?
めっちゃいい感じの憂いなんですけど!!!
是非いろんな人に対訳片手に聴いていただきたいですね。
こういう曲聴くとやっぱダイレクトで英語わかるようになりたかったなぁと思うわけですよ。
はい。
曲自体も素晴らしいですね。
この前、クリント・イーストウッドの『運び屋』という映画を観た時にも同じような事を思ったのですが、ピートにしろイーストウッドにしろ人生に対する解釈がめちゃくちゃカッコいいんですよね。
勉強になります。
そんなような曲です。
というわけで、人生を回顧するに相応しい出来の曲です。
9.Break The News
ピートの弟、サイモンの曲ですね。
正直、このアルバムの中では結構浮いてるような気がしますね。
イントロでアヴィーチーが流れてきたかと思いました(笑)
それにしてもロジャーの声はどんどんアップグレードされていくな、と感じる曲。
10.Rockin' In Rage
これがある意味一番「四重人格」風な曲かな、と思いました。
今回のアルバムを作る1番の動機が「最近ますます好調なロジャーに歌ってもらうため」みたいなことをピートが言ってたけど、曲の雰囲気と「ステージは降りない」って歌詞の内容からみてもこれぞロジャー・ダルトリーの為の曲って感じですね。
11.She Rocked My World
最後の曲はスパニッシュ風。
歌詞は「あの女はいったい誰だったんだ?」というミステリアスな内容。
曲調自体は結構渋め。
発売前にゲスト参加がアナウンスされてたゴードン・ギルドラップはこの曲で登場。
てっきりピートとギターカッティング勝負でもするのかと思いきや、こんな曲の雰囲気なんですなぁ。。。と意表を突かれました。
個人的にはバシッと締まらずこんな感じでモヤっと終わるのも嫌いではないです。
と言いつつ、デラックス版CDだとほぼ間髪いれずにボーナストラックが始まるわけなのですが……(笑)
とりあえず感想は本編だけにしとこうかと思います。
気が向いたら加筆しとこうかと。
アルバム全体としては、ロジャーが「四重人格以来〜」って言うのもまぁわからんでもないかな〜って感じですね。
間違いなく出来はいいですし、多分『Endless Wire』より受けも良いんじゃなかろうか?
『Quadrophenia』や『Who's Next』みたいな傑作的雰囲気よりかは個人的には『By Numbers』みたいな雰囲気だなぁと感じました。
whoの中では『By Numbers』は結構サラッと聴けるアルバムなんですよ、個人的に。
歌詞の内容とかは決して軽い訳では無いんですけど、そういうとこも含めて『WHO』は『By Numbers』的アルバムでしたね。
一曲だけ選ぶとするなら、迷いますが今の気分で「Beads On One String」ですかね!
いや、「I'll Be Back」な気もする……
まぁでも安パイに1曲目の……
ということで以上!!
僕がグダグダ書きたかったことをピートがさらっと言ってる動画見つけたんで貼っときまっす。
この全てを掌握してる感じがたまらなく好きだわぁ
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