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いざなぎ流御幣切り体験

今年の夏はいざなぎ流の夏です。私にとってはね。

いざなぎ流は高知県に伝承された独自の民間信仰です、というふうにWikipediaでは説明されています。
陰陽道の要素が色濃く含まれる膨大な神話体系が山深い物部村に伝承されています。

その特徴は数々ありますが、ビジュアルとして分かりやすいのが御幣(ごへい)です。
御幣は神社でも神主さんがヒラヒラと振りますが、いざなぎ流の御幣は神様の依代として人形(ひとがた)に作られます。神様によっては目や口があったりします。
*写真は私が見よう見まねで作ったなんちゃって御幣なのでお間違えのないように。

先日は高知県歴史民俗資料館で御幣切りワークショップがありました。いざなぎ流の祈祷を取り仕切る太夫(たゆう)さんとそのお弟子さんに直々に教わるというもの。

参加者は子ども連れメインかと思ったら、地域のおじさんおばさんが中心で、まじめに地域文化を習おうという雰囲気に満ちていました。
…という気がしますが、私も一生懸命御幣切りに集中した2時間だったので、周りのことはよく分かりません。

作業自体は紙に書いた切り取り線に沿って、よく使われる語弊を切っていくというペーパークラフトと同じです。好きなものから好きなように作っていくというスタイル。
私が作った御幣は
・払い弊(唱えごとをする時に手に持つ)
・氏神様
・水神
・和合の弊(山の神と水神の間に置いて仲を取り持つ存在)
・山の神八つ花付き(写真参照)
・えびす神
で、自分としてはなかなかよくがんばったように思います。

本来は神棚に祀るような御幣を遊びで作って良いのかと気になる方もいるかと思いますが、太夫さんによれば、今回作ったのはただの遊びだから別に構わないとのことです。
ということは、きちんと作るための術式が別にあるということ。

太夫さんとお話をしたところによると、
・昔は自分の家の神棚の御幣は自分の家で作っていた
・氏神様、えびす神などは家に祀っても良いが、家に祀るものではない神もいる
というようなことをおっしゃっていました。
(あと、いくつか神様同士の関係についても。いざなぎ流では神様をたくさん祀るので神様同士の関係にとても気を使うのです)

それにしても、お会いした太夫さんのお人柄よ。
気さくな田舎のおじさんでありつつもビンビンにオーラを発しているような印象がありました(私には見えませんけども)

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