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人生うまくいっていない人から見る、運とは何であろう?

ポーカーやっていても感じる下振れ状態

 この頃ポーカーにはまっているので、今日は運が良いとか悪いとか、上振れているとか下振れているとか、その日のそのときの上下する流れみたいなものに敏感になっています。ポーカーという小さなゲームの中でも同じようにプレイしていても、失敗し続けることもありますし、逆に適当にやっているのに勝ち続けてしまうこともあります。全ては確立通りの事が起きているだけですが、そこで、自分は肩があるとか運がないとか、このアプリは不正しているとか様々な感情がわいてきます。

 人生と比べたら、シンプルにゲーム化された確率の中ですら正しく把握できない運ですが、これが人生レベルのスケールになるとそれは非常に複雑です。ネットでもリアルでもときに、非常に運に恵まれない人というのを目にすることがあります。「何でこの人こんなに不幸ばかり何だろう?」そういう人をテレビでも家族でもたまに見聞きすると思います。それはもしかしたら自分自身かもしれません。
 この頃はTwitterで家アカと呼ばれる、新築の注文住宅を建てている人またはそこに住んでいる人たちをフォローして、打ち合わせ中だとか、地鎮祭を行ったとか、引っ越した、とか見て楽しんでいます。うちも引っ越しから2年半が経ち、もう新築とは言いにくいような感じにはなっていますが、建築現場の写真や家のアイディアを見ていると家づくりをしていたあの頃を鮮明に思い出します。Twitterの家アカの人たちは、若い夫婦が多く、非常に活力を感じます。特に、このご時世の中ローンを組んで一軒家を買っていますのでなんというのか生命エネルギーや生まれみたいなものが普通の人たちとは一段違うように感じます。社会的にもみてもまともな仕事にしっかりと就いており、良いタイミングで結婚し子供もいたりするわけです。それは皆前向きで、あふれんばかりのパワーにみなぎっているのです。

 

Twitterで見かけたA夫妻の家

 そんな勢いを感じる家アカ界隈で、今週気になるツイートを見かけました。人気ハウスメーカーで念願のマイホームを建てたA夫妻、なんとできた家が施工不良だらけだというのです。非常に評判の良いハウスメーカーで建てたのにもかかわらず、現場監督が外れだったらしく、遠目で見ている限りでも悲惨な仕上がりでした。人生最大の買い物である家がまさか欠陥住宅だったら、運は下振れどころの話ではありません。しかし不運はそれだけではなく、ローンの契約時でもトラブルがあったようです。さらには、子供をもうけたいにもかかわらず不妊治療が必要で、これからどれだけお金がかかるかわからないのに、肝心のマイホームがひどい始末です。
そんな様子を見て、 私が家を建てている間も、打ち合わせや現場でのトラブルなど4つの災難に巻き込まれました。幸い、全て話し合いで解決できましたが、一歩間違ったら訴訟とか新築を断念するとか大事になりかねなかったと思います。家を作りという長い時間をかけ沢山の人が関わり、大金をかける人生の一大プロジェクト。クレーム産業なんて言われている建築業界で、一切の失敗なく引き渡しまで迎えるというのはほぼ無理な話です。それでも明らかな欠陥住宅や思っていた新居での生活とはまるで違ったなどという感想はあまり見かけません。やはり、どこを見ても楽しそうで希望であふれています。

不運が不運を引き寄せている

 そんな中で、A夫妻のTwitterアカウントを見ているとなんともいえない不安みたいなものが頭によぎります。数多くあるTwitter家アカを見ていてもこれほどまで下振れている不運な人は初めて見ました。どの家のストーリーを見ても多少の困難やちょっとした失敗はあれど、新しい生活にみなギラギラとキラキラして見えます。しかしそんなまぶしい家アカ界隈の中でA夫妻を見ていると、本当に不運だったのだろうか?とおかしな疑問を感じるのでした。
  施工不良の家に巡り会ってしまったから不運でしょう?それはまあマイホームがそんなのでは不運ではあるでしょう。そこよりもなぜだか、不妊治療しないと子供が授かれないというところにえらく引っかかりを感じました。
 このままだと、おそらくまともに家ができなかったストレスで、本来だったら授かったであろう子供すらも難しくなってくるのではと感じました。ただでさえ気力体力ともに消耗する大変な家づくりで、余計な打ち合わせや不安や怒りが増えて、鬱になってしまうかもしれません。元々あったお金の不安がさらに大きくなって、お金の管理が揺らいで、生活がさらに厳しくなるかもしれません。そこから不妊治療をしたいと思っていたのを諦めざるを得なくなるかもしれません。もし不妊治療に挑んだとしても、結果子供ができなかったり、ようやくできた子供がハンディキャップ持ちだったり… …家のせいで…。あの現場監督のせいで……。そんな不運が続いたら、最悪、離婚になってしまうかもしれません。考え出したら将来への大きな不安はとどまることを知りません。一つ大きな失敗があると、他人事でさえもこんな風に不安はいくらでも肥大し、いつもの仕事や日常がうまくかなくなって、普通なら気にならない些細な失敗やすれ違いでさえも大きく傷つき始め、さらに自分は本当に不幸だと思い込み始めます。そんな負のスパイラルが待っているのかなと思ったらこの記事を書かないわけにはいきませんでした。今現在でも、A夫妻の心労具合は何気なく見ているだけでも、いつまでも続く暗い雨の中ともされたろうそくの火のようです。

本当の運の良さとは

 私の引きこもり状態の下振れ人生もまたそうですが、一度大きな挫折や失敗が身の回りで起きてしまうと、回復するまで非常に時間がかかります。その間、脳内ではおそらくセロトニンやドーパミンと言った脳内物質の分泌が抑えられいわゆる鬱状態になってしまいます。おそらく、A夫妻の脳内も今現在セロトニンが大分減ってしまっていると推測できます。セロトニンが少ない状況では、何気ない喜びすら感じられずにネガティブな感情ばかりに脳が支配されていきます。それがあまりに長く続いたら、精神科へ行って抗うつ薬をもらって……と、普通の人は考えるかもしれません。しかし、こういったうつは薬を飲んですぐ回復するようなものではありません。医者に頼ったとしても長い時間と努力が必要になります。
 そんなときに一番頼りになるのが、近くにいる人たちの暖かいサポートだったり、資金力だったり、努力できる環境と自分自身の強い意思です。しかし、こういう下振れ状態で、良い出会いに気づけるとか、自分自身に回復させるエネルギーが残っているかどうかが、ある意味運かもしれません。例えば、精神科へ行ったとしても主治医の先生がいい人とは限りませんし、出された薬が合う薬である確率は実は低いです。特に精神科医も精神科の薬も当たり外れの分散が非常に大きいです。また、医療的な支援が必要ないにしても、そこから自然に回復するかどうかは運です。それでは運のいい人は当たり前に運が良いし、運が悪い人は運が悪いままではないかと思ってしまいます。実際問題、借金を抱えて大学を中退したり、うつになって働けなくなったら……、一度でも社会のレールから外れるともう、真っ当な人生を歩むのは絶対に無理な気さえしてしまいます。

だれでも運は一定

しかしながら、長い人生、何かをやり続けている限りは、下振れも来ますが上振れも来ます。質量保存の法則のように、一人の人間が受けられる情報だったり与えられるものや労力は限られています、その中で運が良いか悪いかは、誰にも平等にやってくると思います。誰にでもくる下振れ状態が来たとき、それがただ一過性のものに過ぎず、また上振れると思い込めるかどうかが、本当の運なのかもしれません。
 科学的にみても、運のいい人は、運が良いと思い込んでいる人だと言います。とても複雑で長い人生の中であっても、ランダムに数字が決まるルーレットで好きな数字にかけているだけに過ぎません。そこに攻略方法だったり絶対に負けない方法などは存在しないのです。当たるときは連続で当たるし当たらないときは一切当たりません、しかし当たっている人もやり続けていたらいずれ当たらなくなりますし、外れ続けている人もまたいつか当たるのです。このゲームにコツがあったとしたら諦めないことでしょう。

 ポジティブシンキングでいればいいなんて言う根拠のないことは言いたくありませんが、現実世界、下振れたと思ったら、運命にまかせて次は上振れると思い込むしかないです。そして無理してでも笑顔を作って日常の小さな幸福に感謝し、少しでも脳内のセロトニンを増やすのです。セロトニンが増えれば小さな不幸もスルーできる上に、小さな幸せにも気づけるようになります。そうして小さな幸福が積み重なって不運のスパイラルから抜けれるはずです。なんだかものすごく宗教くさくなってしまいましたが、未だにかなり未完成な人間は、まだまだ宗教に頼るしかないのかもしれません。

 そういう意味では、ハズレ人生とアタリ人生があったとしたら、その違いはただ一つ、今この瞬間をワクワクして生きているかどうかだけかもしれません。本当の不幸とは、自分が最悪の不幸で運命は一生変えられないと思い込むことだと思います。本来、誰が決めたわけでもないランダムに出る次のカードの数字に一喜一憂する必要はないのです。どんな人も不運は来ます、それは意図的に回避したり抗がったりすることはできないのです、流れに身をまかせただ漂うだけです。


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