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映画「室町無頼」50歳を超えての挑戦
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映画の宣伝で、主演の大泉洋が外国人記者クラブのインタビューに答えており、ここでもボヤキを炸裂させて外国人記者相手に笑いを誘ってました。日本語でボヤいているのに外国人にウケるとは…外資系企業で海外メンバーとのコミュニケーションに悩んでいる私からすると、ホントにこの方の才能がうらやましいです。
評価: ★★★☆☆(3.5くらい)
顔が真っ黒のアイドル
応仁の乱が起こる直前、1461年の京都が舞台です。飢饉で混沌としている世の中を表してか、常に天気が悪く、空っ風が吹いてます。出てくる人も日々の食べ物すらない生活ゆえ、ぼろをまとい、肌も汚く、顔も垢で汚れて真っ黒。
「なにわ男子」の長尾謙杜が才蔵という青年役で出ていますが、この方もあまりに顔が真っ黒で最初は誰だかわからずにいました。他にもけっこう有名な俳優さんが出ていますが、顔が黒かったり、髪の毛が伸ばしっぱなしになっている容貌だったりで、エンディングロール見て「え、この役、あの人だったの!」と気が付くくらいでした。
一方で貴族は顔が真っ白。バカ殿みたいな貴族たちと真っ黒な顔の庶民。この対比がまた、観客に社会問題の根深さを訴えかける意図を持っているように思います。
なんだかんだ言って大泉洋が好きだ
多くの人がそうであるように、私も大泉洋を「水曜どうでしょう」で知りました。ローカルタレントだったのに、あるときフジテレビのドラマに出ており「うわー、出世したな」と驚いたのを覚えています。それからあれよあれよと活躍の幅を広げ、ドラマのメインキャストからNHK大河ドラマ出演、主演映画も多数、挙句の果ては紅白歌合戦に歌手として登場。私は相当長い間、大泉洋を見守ってきたと思いますが、その活躍っぷりはホントに素晴らしいと思います。(同じく「ONちゃん」こと、安田さんも見守っていますよ!)
そんな大泉洋が、今回の映画ではじめてのマジ殺陣に挑戦。50歳を超えての「はじめての殺陣」はかなり大変だったと思います。テレビのインタビューなんかでも、「構想に8年かかってしまい、もっと早くはじめられていれば…」とボヤいていました。しかも敵役は、あのJAC仕込みの堤真一。
堤真一は、もう刀を構えた時点で殺気が桁違い。殺陣はじめたばかりの俳優とは比較にもならなくて…二人の真剣勝負シーンは堤真一の圧勝(ストーリー上の勝ち負けだけでなく…)。
挑戦することの大切さ
というわけで、今作では新しい挑戦をしている(そして堤真一に絶対の差を見せつけられる)大泉洋を目の当たりにすることができます。ご本人は「アクションは体力が追い付かない」みたいなことをインタビューでおっしゃってましたが、50歳を超えても年齢は関係なく新しいことに挑戦する、その難しさと大切さをくしくもこの映画から感じました。まだ年始め、私も何かゴールを決めて挑戦しようかなと思った今日この頃です。