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映画「エイリアン ーロムルスー」

「エイリアン」にまつわる思い出と言えば、2012年の「プロメテウス」を吹き替え版で観てしまい、主人公の棒セリフに唖然としました。海外に行く飛行機のなかで鑑賞したので誰が声優なのかわからず、到着後すぐ検索したところ「剛力彩芽」だと判明。ネットでも「ひどい吹き替え」だと炎上しており、初めて吹き替え版に殺意を覚えた瞬間でした。そんな苦い経験がある「エイリアン」の最新作を鑑賞してきました。

(注:チョークするエイリアン…苦しそう…)

評価 ★★★☆☆

感想

最初の「エイリアン」が公開されたのが1979年。もう45年も経っているので、「映画館でリドリー・スコットのエイリアンを観た」と言う人は、ほぼ50代以上の方ではないでしょうか。私も実を言うとビデオで鑑賞したクチです。そのため20-30代の人には「今回はじめてエイリアンを映画館で観る」という人も多いのだと思います。
今年の春に公開された「あぶない刑事」もそうですが、近年こうした「長寿作品」がどんどん増えてきていて、「はじめてこのシリーズを観る」と言う若い人にも抵抗なく観てもらえるよう設定を新しくして、前作などの予備知識がなくても楽しめるようになって来ているように思います。この「ロムルス」もそんな感じでした。前作観ていても話を忘れてしまう私としては、この展開はありがたいです。

ただ過去作品を観ているメリットは、いかにエイリアンが恐ろしい存在であるかを知っていることです。歴代の主人公を追い詰め(怯えた女性の顔の前で必ず「シャーーッ」と威嚇するのがお約束)、ようやくエイリアンから逃げられた!と思ってもまだ後ろにいる神出鬼没さ、なかなか安心できない存在であることがわかっているので、「志村、後ろ!後ろ!」的な楽しみ方ができるのが醍醐味かと思います。そんなシーンが山ほど含まれており、往年のファンには「待ってました」な作品に仕上がっていました。

ちなみに副題の「ロムルス」ですが、映画の最初のほうに由来がちらっと出てきます。話の舞台となる、宇宙船の中にある研究所の名前が「ロムルス」で、ローマを建国したといわれる伝説の双子兄弟、ロムルスとレムスにちなんでいます。オオカミの乳を飲む有名な像も出てきたので、高校時代に世界史を選択してた人は「あ、見たことある」って気が付くでしょう。

これです

映画が終わってから調べてみたら、この兄弟は「弟殺し」でも有名だそうで、振り返ってみれば「弟」はこの作品のキーワードだったのですね。私はてっきり、リドリー・スコット監督の「グラディエーター」にひっかけてローマのネタを盛り込んだのかと思ってました。作中に登場するコンピュータも、わざと古い作品で使われていたようなブラウン管のレトロなタイプが出てきたり、過去をオマージュするシーンもいくつか見られたので、その辺をがしながら鑑賞するのも楽しいです。

何はともあれ、エイリアンに追いかけられるドキドキ感は、ぜひとも映画館で体験していただきたいです。周りに人がいるからビックリできないし、声も出せないなかで、恐怖と戦う2時間でした。

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