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【素粒子のお話】ヒッグス粒子ってなに?

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素粒子のひとそろえ、標準模型にでてくる素粒子の説明も一通りしたような気もしていたのですが、大事なこのこを忘れていました。

ヒッグス粒子です。

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このヒッグス粒子ですが、他のクォークやレプトン、ゲージ粒子などとはちょっと働きが違います。何をするかといえば

質量というものに「運動の変化のしにくさ」という意味をもたせる

のです。


質量ってなんだっけ

質量とは物質が持っている性質のひとつです。

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重力は質量を持っている物質どうしをくっつけるように働く力ですが、質量が大きくなればなるほど、重力による力が大きくなっていきます。

地球の上で考えれば、質量が大きいものほど重力によって地球に引っ張られる力も大きくなります。これが重さですね。

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また質量には重力に関係している性質とは別に、質量が大きいほど運動が変化しにくいという性質があります。

ピンポン玉をデコピンすれば結構な勢いで飛んでいきますが、ボーリングの玉をデコピンしても指が痛いだけで殆ど動きません。これはボーリングの玉の質量が大きいからなのです。


ヒッグス粒子は質量を持つものが大好き

質量の「質量が大きいほど運動が変化しにくい」という性質を生み出しているのが、みんな大好きヒッグス粒子です。

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実はこの世界にはヒッグス粒子がみちみちにあふれています。なにもないように見えるここにもそこにもあそこにも。このみちあふれたヒッグス粒子が質量を持つ物質にまとわりつくことで、物質は運動が変化しにくいという性質を持つようになるのです。

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質量の大きさとはヒッグス粒子からの好かれやすさになります。例えば同じクォークでもボトムクォークはアップクォークの10万倍質量が大きいのでヒッグス粒子に10万倍好かれていることになり、すっごい動きづらくなります。

対して光子は質量を持っていないのでヒッグス粒子に好かれていません、そのためすっごく動きやすくて文字通り光の速さで動けてしまうのです。


最近見つかったヒッグス粒子

そんなヒッグス粒子ですが、比較的最近、2013年にヨーロッパにあるCERN(欧州原子核研究機構)のLHC(ラージハドロンコライダー、大型ハドロン衝突型加速器)と呼ばれる実験装置で発見されました。

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円周27kmというでっかいリングのなかで陽子を光の速さの99.999997%まで加速して、陽子と陽子をすっごい勢いでぶつける装置です。いずれLHCちゃんの説明もしたいですね。

とってもかっこいいCERNの動画です。とってもかっこいい。


弱い等価原理

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ちなみになんで質量という物質の持つ性質が、重力と運動の変化のしにくさの両方に関係しているのか不思議ですよね。物理学者さんも不思議に思っています、つまりわかっていません。これを弱い等価原理といって、物理学のルールとしています。

もしこの2つが関係していないとすると、例えば質量の違うものは地球に落ちていくスピードも違うという不思議な世界になります。これでSFっぽいお話を書くのも楽しそうです。

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