なぜ飲食店がMakuakeで会員を集めるのか
こんにちは。今回はジャンルを絞ってMakuakeの活用法についてお話ししようと思います。ありがたいことに、これまで多くの飲食店さまにMakuakeをご活用頂いてきました。
今回は、数ある活用法の中でも、飲食店の皆さまがMakuakeで会員を集める意味について書いていこうと思います。
結論から申し上げると、その意味は「初期段階でリピーター候補を獲得できること」にあると思います。
新店舗を出すときの問題点
これまで、飲食店が新規出店をする際は、「近隣住民へのチラシ配り」や、「開店セールよる通行人からの呼び込み」を中心にお客さんを取り込んできました。
しかし、これには大きく2つの問題があります。
1つは、コストがかかることです。
もちろん、チラシや割引はコストがかかります。特に開店セールなどの割引は、呼び込みのために大幅な値下げをすることが多く、大きなコストになっていました。
もう1つは、リピーターに繋がらないこと。(こっちの方が問題です。)
せっかくコストをかけて新規顧客を獲得しても。リピートに繋がらなければ意味がありません。下記は音部さんの消費財に関する言及ですが、飲食業界にも十分言えることだと思います。
トライアル後の使用体験に満足すればリピートにつながるはずである。リピートにつながらないということは不満足を産出している可能性がある。しかも、その不満足はSNSなどに乗って拡散してしまうかもしれない。品質に問題のある製品やサービスでないならば、この不満足は期待値の設定に問題があることが多い。その製品やサービスにそぐわない期待を持ってトライアルすれば、いかに製品やサービスが設計どおりの機能を発揮しても、消費者はブランド体験に満足しないだろう。機能が足りていないのではなく、期待値の設定を含め、ターゲティングを間違えている。
加えて、一般的に新規の顧客獲得は利益が出にくい。トライアルの段階で利益が出る特殊なコスト構造でもない限り、リピートにつながらないトライアルは損失を生むことになりかねない。
また、トレタの代表中村さんも書籍で、「常連客を獲得することが勝負の分かれ目」と書いています。また、100人中、2回目に来店をするのは10人というデータも出ているそうです。
これらから、従来の焼畑農業的な開店プロモーションでは、飲食店が経営していくことは難しいことが伺えます。
「パレートの法則」は皆さんご存知かとは思いますが、飲食業界では、より顕著だと言われています。
全体の2割のリピーターが、全体の8割の利益をつくっていることから、かなり大きなインパクトになることが分かると思います(比率については、諸説ありますが)。
会員募集、本当の意味
とはいえ、常連客は一朝一夕には獲得できません。「まずは1回来てもらって、接客を頑張れば、、!」と考える方も多いのではないでしょうか?
しかし、常連になる確率が低い客層、その気がさらさら無い人、など一口にお客さんと言っても玉石混淆です。
特に最近は、何回も足を運ぶ常連になる、というより、どれだけ多くのお店を食べて歩いたか、というステータスを気にされる方も多く、結局足を運ぶのは1回きり、という方も少なくありません。これは食べログなどグルメサイトの影響だと言われていますが、詳細は割愛します。
とすると効率性の観点から「リピーター候補を見定め、その方に手厚いサービスをしたい」と考えるのは普通でしょう。
実は、会員募集の本当の意味はここにあるのです。予め常連客となってくれそうな方を、会員券というシグナルで判別することができる。しかもMakuakeは先行販売の形式を取るので、集まった資金を開店と同時に手に入れることもできる。
これは、特に個人経営の方には嬉しいのではないのでしょうか。
詳しくは、下記のnoteでMinimalの山下さんがブランドの観点から書いて下さっています。
会員様を裏切らない
Makuakeを通して会員になってくれた方も、放っておけばすぐに離反してしまいます。しっかりと”おもてなし”をし、常連さんになって頂かなければなりません。
トレタ中村さんによると、リピートするかを決めるのは、3-4回目までが勝負と言われています。(外食逆襲論より引用)
僕は飲食店を経営したことがないので偉そうなことは書けません。なので、あくまでMakuakeを使って、どうリピートしたもらうか、について最後に書きます。
下記のグラフは、「初めて利用」する飲食店を選ぶとき」「一度来店した後また行ってみたいと思う飲食店を選ぶとき(「リピート利用」するとき)」に重視する点について、それぞれ9つの項目を提示し、重視度をグラフ化したものです。(リクルート外食総研,2018)
これによると、「料理・メニュー」や「コストパフォーマンス」が高いポイントを獲得しています。
僕がメニューに口出しする権利はないので、アドバイスできることとすれば、会員制リターンのコストパフォーマンスを上げること、でしょうか。ただ単に会員というステータスを与えるのではなく、しっかりと中身を充実させて、お得感を出す。これは重要なポイントでしょう。
また、ここでのポイントは低くなっていますが、「自分とスタッフや他の客とのコミュニケーション」も見逃せません。(初回利用との差も大きいです)
皆さんも経験あるかとは思いますが、ちょっとしたキッカケでお店に入り、店員さんと意気投合、また行きます!みたいなことってありますよね?個人的に、意外と大きい気がします。
飲食店を無理やりMECEに分解すると。「料理、場所や雰囲気、店員さん」の3つかと思いますが、Makuakeで「料理」と「場所や店内の雰囲気」は関われません。
となると、あとは人です。Makuakeを通して、いかにして店員さんのファンになってもらうか。これが大事だと思います。
そのためには、積極的に活動レポートを投稿したり、応援コメントに返信をしたり、人として惹きつけていく必要があります。オンライン上の活動ではありますが、上記を徹底することで、初回来店前からリピート確率を上げることができると思います。
そもそも、オフラインの体験は不安定です。スタッフが急に休んだ、メイン料理が売り切れてしまった...etc
その時の保険として、事前にお客さんを温めておく、信頼関係を築いておく、というのはやっておいて損はないのではないでしょうか。
まとめ
Makuakeでの会員募集がリピーター獲得に効くのは、リピーター候補を可視化できることにあります。
そして、その候補からのリピート率を高めるためには、来店前に活動レポートや応援コメントなどでコミュニケーションをすることが重要です。
以上、お読み頂きありがとうございました。
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