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感謝されない者


 ~パン屋にて~

  「ジジホウダン」と聞いても誰もピンとも二ヤリともしないと思いますが、主に1960年代にTBS系列で日曜朝に放映されていた『時事放談』という番組(細川隆元、小汀利得)があって、私にとっては結構思い出深いものがあるのです。何しろ、親父のせいで、小学生の私にはさっぱり分からないし見たくもない政治の番組を、休みの日の朝から見ていたのですから。

 月2~3回は会う爺(パン屋店主)と爺(私)は、多くはあいさつ程度ですけれど、今日はたまたまお客が空いた時間に私がいったので、しばらく話し込んでしまいました。

 概ね、いかに日本社会全体が劣化しているかという、年寄りの愚痴りあいなのですが、今日は最後にパン屋店主(児童福祉関係者でもある)が結論的なことを言いました。

 「これから、いままで感謝されるような仕事をしてこなかった者(店)は淘汰される」

 私は一瞬、「んっ」となりましたが、しばらく多角的に検証してみて、そこそこ当たっているかもしれない、と思うようになりました。

 コロナの1年で、社会が大きく変動し続けています。

 人に喜ばれるとか、頼りにされるとか、助かるとか、笑顔になるとか、広い意味で”感謝される”、つまり本当に人の役に立つもの必要とされるもの以外は、売れなかったり残っていかないのかもしれない、と思いました。

 しかし反面、まだまだ全くその逆の(形だけだったり、権威を保つだけの)ものが幅を効かして、盗人猛々しくも大きな面をし続ける社会でもあるような気がします。

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ヒゲリン
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