84 中島みゆき ☆ 時代

【MY FAVORITE SONGS 84(私は音楽でできている)】

 中島みゆきさんがデビューして間もない1976年、早良区百道のももちパレスのコンサートに行きました。いまでは全く考えられませんが、半分くらいしか席が埋まってなくて、私は最前列で間近に見ることができました。ギター一本で、確かボブ・ディランの「風に吹かれて」から始まったように記憶しています。

 座ってギターを弾くと足が開くといってベルトで縛ったり、学生時代に大通公園でアルバイトした話とか、お父様のお話をされたのを覚えています。話が進むと途中から泣き出されて、化粧が崩れても歌い続けられたのが印象的でした。

 私は大ヒットしたEP版ではなく、LP『私の声が聞こえますか』で何度も何度も聞きました。でも、何度も何度も聞き返したのは私だけではないと思います。東日本大震災はじめ、今回の新型コロナでも、何か社会に大きな困難なことが起こる度に「時代」は有線などのリクエストが急増するそうです。中島みゆきさんの曲は愛や恋の歌もすばらしいですし、「糸」「時代」「ファイト!」「地上の星」等々、私たちを心の底から励ましてくれる歌がたくさんあります。私も20代はほぼ中島みゆきさんのLPレコードに支えられたと言ってもよいと思います。

 中島みゆきさんは、デビュー当時のインタビューで「現実に生きている私と、もうひとりの私が隣りなり後ろなりにいるんです。そのもうひとりの私から送ってくる何かを待っている」と語っています。

 また糸井重里さんとの対談で、作品を作るプロセスやその独特の方法についても語っていて、あきらかに普通の人とは異なる鬼才と呼べるような才能のある方なのだと感じます。それは日本はもちろん東アジア全般にファン(特にたくさんの歌手がカヴァーしている)が広がっているくらいのとても奥深く真に人を癒す才能なのだと思います。

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ヒゲリン
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