43 高田渡 ☆ 生活の柄
「自衛隊に入ろう」「値上げ」「生活の柄」「自転車に乗って」「銭がなけりゃ」「コーヒーブルース」高田渡さんの歌は、川柳か狂歌のように斜に構えているようで、なおかつ突き抜けた開放感があります。シンプルでやさしくて、でも静かに力強いのです。
高田渡さんという表現者が、細々とでも社会に受け入れられて存在していたことを、そして私の中にもずっと活きていることをうれしく思います。たとえ日本人の９９％が知らなくても、そしてこれから誰も知らなくなっても、ある時代の人々ののどを潤して、肩コリをほぐし、子守歌になったことは、確かだと思います。
いまの日本にも高田渡さんのような表現者がきっといるのだろうと思います。私にとっては似たようなテイストに感じられるのは、ハンバード・ハンバードだったりします。表現の形がヒップホップになったり、ダンスになったり、私が知らないだけで、他にもいるのだろうと思います。できれば弱い立場の人々の側に立って、みんなに届いて癒す表現がたくさんほしいと思います。
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