51 久石譲 ☆ 風の伝説（風の谷のナウシカ）
心理学を学んでいたころ、週１～２度１年以上訪問した不登校の高校生がいました。彼は、マンガ本を３０００冊読んだという猛者で、いろいろ教えてもらいました。特に、萩尾望都先生や山岸涼子先生の作品について、詳しく解説してもらいました。
そんな彼から紹介されて読んだのが、宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」（アニメージュコミックスワイド版）です。どうも映画になるらしいけれど、あの内容をどうまとめるか疑問だ、というような、どちらかというと懐疑的な意見をよく聞きました。
いざ、上映されて観に行くと、オープニングでナウシカがメーベで飛んで、その影が地上の起伏で変化しながら動いていくのを見て、「スゲ～」と思ってしまいました。「こんな映像見たことがない」と驚嘆する思いでした。
マンガで読んでいましたが、映画は全くといってよいほど別格の芸術作品でした。ナウシカが空を自在に飛んで空中戦を闘い、王蟲が大地を轟かして突進してくる凄い迫力の映像に完全にやられて、核戦争後の世界に引き込まれました。
何といっても久石譲さんの映像と一体になった音楽の素晴らしさでしょう。私は、ジブリワールドにどっぷり浸かってしまいました。
そんなに上映期間は長くなかったので、あと１回しか見に行けませんでした。また見たくても、いまのようにDVDはおろか、当時ビデオも出なくて、あちこちの再映館を探してやっとあと２回、計４回見ました。それでも足りない気持ちでした。
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