戦場デリカテッセン・マイアミ 1皿目「サバ炭火焼きのオーヴァードーズ」
時は大殺戮時代。所はクリカラピークの麓の森の中。
いまや日はとっぷりと暮れ漆黒の闇が森の中を満たす。
森の中をこちらへ駆けてくる一人のサムライ。息が荒い。満身創痍。
「はっ ぜぇっ」
「はっ ぜぇー」
肩、腰の鎧には矢じりが刺さったまま。その姿はまさにオチムシャ。だが見ると、身に着けている装束は決して安物ではない。きっちり編み込まれ、磨き上げられた見事な塗りのそれはむしろ高級、丁寧な仕事のオーダーメイド。
必死に駆けてはいるもののスピードはない。息も絶え絶えとはこの