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元作詞家の経験則 ②「東京湾アクアライン~海ほたるPA編 side A」

続・新名所を目指すと…

“ 海ほたる ”へドライブ

 1997年、諸々物議を醸しつつも東京湾アクアラインが開通しました。

東京湾の中央部を、神奈川県側の川崎市から千葉県側の木更津市までをほぼ一直線に結んで横断する、自動車専用道路の有料道路の名称で、川崎浮島ジャンクション (JCT) - 木更津金田インターチェンジ (IC) 間を「東京湾アクアライン」、木更津金田IC - 木更津JCT間を「東京湾アクアライン連絡道」という。東京湾横断道路の建設に関する特別措置法では、川崎市と木更津市との間で東京湾を横断する一般国道を東京湾横断道路と定義しており、また、旧日本道路公団による有料管理を前提としていわゆる民活の手法が具体化されていた。道路法上は、一般国道409号の路線に指定されており、自動車専用道路に指定されている。

東京湾アクアライン道路全体の総延長は15.1キロメートル (km) で、このうち、東京湾を横断する川崎側の約9.5 km区間に東京湾アクアトンネルと呼ばれるトンネル、木更津側の約4.4 km区間に東京湾アクアブリッジと呼ばれる橋がある。

Wikipediaより引用

 開通後、その内と思いつつも中々行けるチャンスに恵まれず、暫く経ってからの初走行での出来事です。
 その日は結婚前の元嫁とアクアラインを走って、木更津迄の中央に位置する人工島 “ 海ほたるパーキングエリア ” で食事をする予定でありました。“ 海ほたるPA ” からはUターンして戻ることが可能で、上記の通りそれ迄はトンネル区間、その先のブリッジ区間はまた今後のお楽しみということでちょっとした観光気分…浮島からトンネルへと入って行きました。

爽快ドライブ

 圧迫感のないゆったりとしたトンネル空間に運転のストレスは全く無く快適なドライブです。初参上者は些か謙虚に中央車線を大人しく走りつつその雰囲気を味わっておりましたが、やはり何時しか血は騒ぎ出し、追い越し車線にレーンを変えるとアクセルをグッと踏み込んだ訳です。真っ直ぐに伸びるなだらかな下り走行はとても気分良く、トンネル内であることも手伝い、気付かぬ内に速度はどんどんと上がって行きました。

必殺のゴキブリホイホイ

 どの位走ったでしょうか? ふと見たバックミラーに映る白いクラウン、もうお判りでしょう、次の瞬間にはけたたましいサイレン音と共に天井から赤色灯が出現、「あぁぁ、やっちまった」という結末です。正直薄々免許一発アウトも覚悟をした次第です。

 車を寄せるよくある光景、通り過ぎる車中から「おー!やってるやってる」という声が聞こえるようなあの切ない感覚。二人の高速隊員とのやり取りです。何でもいいんですが、こういった際のあの最初の「こんにちは~(こんばんわ~)」は限りなくわざとらしく聞こえますね。
「こんにちは~、結構スピード出てましたね。凄い勢いで我々を追い越して行きましたよ。お急ぎでしたか?」→ 常套句です。
「えっ、まあ… で、何キロ?」
「☓☓キロオーバーですね」
実際の数字は記憶にありませんが、要は一発ツモの状態でした。クラウンの後部座席で開き直った私は
「もっと判り易い車に乗ってよ、その方が抑止になるでしょ。事前防止もアンタらの仕事でしょ?じゃなきゃゴキブリホイホイだよ」
隣に座った彼はニヤッとしつつ
「取り敢えず免許証を…」
その時です、私の背筋が凍りました。出掛けに荷物にならぬよう小振りな小銭入れに適当な金額を入れ、クレジットカードは持ちましたが免許証を入れた記憶がありません。免許証が無いかもしれない、いいえ、絶対に持っておりません。
「あの…免許忘れました」
と少々丁寧な口調に戻って事情を伝えると、家に取りに戻れるかを聞かれ、あちらも不携帯を承知の上ですが、その旨で “本牧PA” にある分駐所に出頭することを指示されました。
「待ってますから、慌てないで安全運転で来て下さいね」
と優しく諭され、折角の機会とお願いし赤色灯の出し入れを一度見学した後、お二人の名前のメモを持って私はその場を後にしました。

 食事をする筈の “ 海ほたるPA ” は単なる折り返し地点と化し、顔面蒼白な状態で復路を自宅へと向かいました。又しても私の新名所を楽しむ機会は車に纏わるトラブルによって実現せずとなりました。

何を言い出すのやら?

 その様な状況で助手席の元嫁がこう言ったのです。
「何か分からないけど、今日は大丈夫な気がする。悪いことにはならない気がする」
「はぁ? 何が? どう?」
一発アウト相当のスピード違反に免許不携帯です。この場に及んで何を言い出すかと思いつつ、暫く車無しの生活とその日それから先の展開を暗く想像しながら、免許証を持って我々二人は再度 “本牧PA” を目指したのです。しかし実際、その先には予想もしない展開が待っておりました。

続きは「side B」に書かせて頂きます。
有難う御座いました。

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