『長ネクタイと緘口令』
『長ネクタイと緘口令』とは、"ぎ曲"の一つである。
(※ぎ曲……とある町のとある時期に町民の間で流行した、架空の会話を創作する遊び。
または、それによって創作された会話の事を指す。
その全ては町民たちによって作られ、紙などに残されている物もあれば口頭でのみ伝聞されたものもある。
著名な作品に『夜景が見える屁ストラン』『明太子と時報』『松平健』などがある。)
私は私の人生の大半を、"ぎ曲"の研究と推し活に捧げてきた。
この長年の研究で分かった事は、アイドルは私に生きる活力と前向きな気持ちを与えてくれるということだ。
"ぎ曲"のことは正直よく分からん。
私に聞かないでくれ。私はアイドルの事しか分からないし、分かりたくもないのだ。
勘違いしないでほしい。
"ぎ曲"の研究に人生の大半を捧げたという言葉に嘘はない。
しかし、人生の大半というのはどれくらいの事を言うのだろうか?それは人によって何十年ということもあれば、2.3日ということもあるのではないだろうか?
文句があれば相手する。
私は柔道70000段だ。殺すぞ。
さて、これから『長ネクタイと緘口令』という作品を紹介しよう。正直、私はもうさっぱり意味がわからない。これが何なのか、意味がわからない。
場面は、長すぎるネクタイを締めている長兵衛が、なぜか町民の誰にも長すぎるネクタイについて言及されない事について友人の春雄に相談しているところから始まる。
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長ネクタイと緘口令
作 : 八百屋のドラゴン・大沢
長兵衛「俺のネクタイが長すぎること、何で誰も何も言って来ないんだろう?」
春雄「そりゃ誰も気づいてないんだろう。俺だって別に、お前のネクタイが特段長いとは思ってないぜ。」
長兵衛「そんなわけあるか。俺のネクタイ20メートルはあるんだぞ。」
春雄「うーん、そう言われてもなぁ…。
まあ強いて言えば、お前って本当に口が固いよな?」
長兵衛「めっぽう固い。それがなんだよ。」
春雄「つまり、口が固い方にばっかり意識が向いちゃって、ネクタイ長いのが霞んじゃってんじゃねえか?」
長兵衛「お前が何を言ってるのか全然わかんねえよ。」
春雄「ネクタイを目立たせたいなら、他人の秘密とかベラベラ喋っていけばいい。そうすれば口が固い印象は無くなるからな。」
長兵衛「よく分かんねえけど、まあ一か八かいっちょやってみるか。ちょうどとっておきの秘密があるんだ。」
春雄「おっ、その意気だぞ長兵衛。
心なしかお前のネクタイ、さっきより長くなってない?」
長兵衛「この秘密は、とんでもない秘密だからなぁ。秘密度が…そうだな、大体…」
春雄「ん?秘密度?秘密度ってなんだ?」
長兵衛「ああ、秘密度っていうのはその秘密がどれくらいの秘密かっていうのを数値化したもので、例えばアメリカ政府の陰謀は秘密度10って言われてる。」
春雄「そんなのあるんだ。」
長兵衛「他にもスマホのパスワードが3、ワンピースの最終回が7」
春雄「なんでそんな小さい数字でやってんの?」
長兵衛「女子の体重は60って言われてる。」
春雄「まあ女子の体重は絶対内緒だからな。」
長兵衛「ちなみに俺の体重は70。」
春雄「なんで上回ってんだよ。」
長兵衛「キロキロ。」
春雄「え?」
長兵衛「70キロ、70キロ。」
春雄「あ、ああ、70キログラムね。だとしても聞いてないけど。」
長兵衛「で、俺が今から話す秘密は……秘密度100!!」
春雄「100!?大丈夫かお前?
なんか…消されたりしない?」
長兵衛「実は…お前の彼女と浮気してまーす。」
春雄「お、おま、おまおまお前、おまおま、おまおまお前!!
ネクタイなっがいな!!なんだそのネクタイ!!変なの!!」
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