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トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第五章からの登場人物と主要人物

ハンス・カストルプ
本編の主人公。5歳から7歳の間に両親を失う。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中の従兄、ヨーアヒム・チームセンを訪ねる。自らも「ベルクホーフ」に入院。
ヨーアヒム・チームセン
ハンス・カストルプの従兄。ハンス・カストルプの母の腹違いの姉の息子。ハンスより背が高く、肩幅も広い。士官候補生。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中
マダム・ショーシャ
ロシア人。戸をガチャンと閉める。中くらいの背格好。赤みがかったブロンドの髪を編んで無造作に頭の周りに巻きつけている。名はクラウディア。キルギス人のような眼は、ハンス・カストルプが少年の頃に出会ったヒッペの眼と同じものであった。
ゼテムブリーニ
髪の褐色な垢抜けしたイタリア人の紳士。黒く美しい口ひげ。年齢は30歳から40歳。ハンス・カストルプはこの人物から異国の旅音楽師を連想する。文学者・人文主義者であり、ドイツの新聞にカルドゥチの追悼文を書いた。ゼテムブリーニは偉大な詩人で自由思想家のカルドゥチの弟子であることを自認している
ヒッペ
姓はヒッペ。名はプリビスラフ。ハンス・カストルプの13歳の時の高等中学校時代の1学級上の生徒。ハンス・カストルプとは年齢は同じ。マダム・ショーシャと同じキルギス人の眼をもっている。

ハンス・カストルプのティーナッペル方の親戚の婦人
ずっと前に死んでしまったが、彼女の目には、近く死ぬ人が骸骨の姿で見えた。

「「ベルクホーフ」職員・関係者」
ドクトル・ベーレンス顧問官(ラダマントュス)
国際サナトリウム「ベルクホーフ」の院長。ゼテムブリーニによって地獄の裁き手「ラダマントュス」に見立てられている
クロコフスキー
助手。患者たちの精神分析を行う。35歳くらい、肩幅が広く肥っている
白い帽子をかぶって鼻にかけた鼻眼鏡の紐を耳のうしろに垂らした看護婦(ベルタ看護婦、アルフレーダ・シルトクネヒト)
新教の看護婦
フォン・ミュレンドンク嬢
名はアドリアティカ。婦長さんと呼ばれる。きいきい声。旧貴族出。40代のいじけたような貧弱な体つき。不格好でベルトのついた白いエプロン式の病院服を来ている。
だんまり看護婦
目盛りのない体温計のこと。医者は物差しを当てがって調べて、熱のカーブを記入する
トゥルンヘル
マッサージの先生。筋骨たくましい巨漢。
ベルクホーフ料理長
ヨーロッパ各国の料理に通じている。
まだ若い、ずんぐりした、頬の赤い、白い上っ張りをきたこの土地生れの助手
レントゲン室の助手
クヌート
ベーレンス顧問官の息子。

「患者たち」
シュテール夫人
カンシュタットの音楽家の細君。かなり重症。非常に無教養
イルティス夫人
とんがり鼻。ふとってそばかすだらけである。
ふたりとも(Tous-les-deux)
「ふたりとも」と呼ばれているメキシコ人の女。長男の看護の為に「ベルクホーフ」にきている。つづいてやってきた次男も発症
うぶ毛の生えたような顔色をして、頬を弱弱しくほてらせた、見栄えのしない女(エンゲルハルト嬢)
バタつきの巻きパンとコーヒーのみの朝食をとっている。ハンス・カストルプは彼女の存在に女裁縫師を感じた。本当はケーニヒスベルクの官立高等女学校の先生。
イギリスの未婚婦人(ミス・ロビンソン)
中年で、非常に醜く、骨と皮ばかりのかじかんだような指をしている
薄いくちひげを生やして、何か味の悪いものでも口にふくんでいるような顔つきをした若い男(ドクトル・ブルーメンコール)
完全に黙りこくって食事している
ヘルミーネ・クレーフェルト
気胸でひゅうという音を出す女。「片肺クラブ」の誇り
マルシャ
顔色はつやつやしく、胸は豊かに盛り上がり、栗色の髪に見事なウェーブをつけ、子供のような丸いとび色の眼をして、美しい手に小粒のルビーをはめている。ロシア語を話す
ザーロモン夫人
アムステルダムからきた肉付きの豊満な女。
アルビンさん
ブロンドの青年。ひょろ長い青二才で、子供のようなバラ色の顔をして、耳の横に小さい頬ひげを生やしている。ご婦人たちに大人気。
マグヌス
ゼテムブリーニの食卓仲間。ビール醸造業者。乾草の束みたいな鼻ひげを生やしており、文学に興味がないのでゼテムブリーニの軽蔑の対象になっている。
マグヌスの細君
ゼテムブリーニの食卓仲間。マグヌスの席の差し向かいに座っている。
ドイツ系のロシア婦人
ベルクホーフに五カ月滞在していた。リンパ性の体質で、貧血症にかかっており、自覚症状があるように訴えるが、肺に別条はなかった。東方の夫の手紙を待っていただけではないかという、何かメタファー的・寓話的存在。
若い古銭研究家
レントゲン写真の乾板にはっきり空洞があり、空洞の音がきこえると主張し、別条のない肺病の治療を受け死亡。上のドイツ系のロシア婦人と共に人間的欺瞞の本質性を象徴している人物。
女房持ちの息子
ベルクホーフに11カ月滞在。家族は母と妻。一日中体温計をくわえながら寝ていた。根本概念について人々に考えさせる形而上的存在。
髪はぼうぼうで、シャツも着けず、前の詰まったルバシカを着たロシア人の学生二人
髪はぼうぼうで、シャツも着けず、前の詰まったルバシカを着たロシア人の学生二人
ゼテムブリーニの食卓につくようになったオランダ人夫妻
ゼテムブリーニの食卓につくようになったオランダ人夫妻
せむしのメキシコ人
ぜんそくの強い発作
柔らかい髪のタマラ
ユーモラスな娘さん
扁平胸で撫肩の(ショーシャ婦人の)食卓仲間の紳士
扁平胸で撫肩の(ショーシャ婦人の)食卓仲間の紳士
ゼテムブリーニの食卓にすわる若い見上げるように大きいスウェーデン人
入院時は非常に重症であったが、療養により体重が80ポンド増、全快の見込み
下級ロシア人席の婦人
貧弱な体をした母親
サーシャ
下級ロシア人席の婦人の息子。母親よりさらに貧相で、鼻が長く醜い。
ゲンザー青年
唇の厚いずんぐりした青年の名はゲンザーであることが判明。
優雅なアマチュア騎手だが、症状が重くなんの喜びも愛情もない咳をするオーストリアの貴族の未亡人
小柄なブロンド婦人
ヘッセンフェルト未亡人
ベルリンからきた賭ケグルイの元気な婦人。
「マックスとモーリツ」と呼ばれる17歳と18歳のすらりとしたふたりのダンディー 婦人たちとポーカーをやったり、飲みに行ったりして、いろいろ夜の話題になっている二人
アインフーフ弁護士
ユーテルボークからきた。山羊ひげを生やし、手に黒い毛がはえた40がらみの男。危険なドン・ファン。
フレンツヘン・オーベルダンク
髪をなでつけて分けたおぼこ娘だったが、「ベルクホーフ」にておやおやな感じの破廉恥娘になった。
ポポフ
痩せておとなしい教師。やせておとなしい新妻と一書に上級ロシア人席に座っている。
レーディシュ夫人
ポーランドの工業家の妻。5章でも淫らな噂があったが、6章ではジェイムズ・ティーナッペル叔父を魅了する。

「重症患者たち」
ライラ・ゲルングロース
危篤患者である少女。父である退役少佐は頑健な偉丈夫だが、母親のほうは人間性に屈折がある。
フリッツ・ロートバイン
20歳になるかならぬかであるが頭がすこし禿げ上がっており白髪もある。商売根性が強い
チンマーマン夫人
チューリヒの医者によって肺にガスを詰められすぎた笑い上戸の婦人。
ふたりとも(Tous-les-deux)の次男
名はラウロ。ひどく壮士芝居ふうな身振りの美青年。
アントン・カルロヴィッチュ・フェルゲ
ペテルスブルクからきたドイツ系ロシア人の保健会社調査員。善良らしいふさふさとした上ひげと飛び出したのどぼとけの持ちぬし。
「フレデリック大帝校」のテディ少年
14歳の上品な少年。付き添い看護婦のいる金持の孤児。
ナターリエ・フォン・マリンクロット夫人
仇っぽいおしゃれ婦人だが四百四病を負わされている。
カーレン・カールシュテット
ドクトル・ベーレンス顧問官のプライベートの院外患者。19歳の弱弱しい少女。ハンス・カストルプとヨアヒム・チームセンは彼女を見舞い、スケートやボブスレー見物に連れていく

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