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トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ④病患による貴族性

テキストは岩波文庫「ゲーテとトルストイ」トーマス・マン著 山崎章甫・高橋重臣訳 第4刷を使用   (病患) シラーとドストエフスキーは病人であったので、高齢のもたらす高貴さにあずからなかった。 二つの問題 ①病患は、シラーとドストエフスキーの本質に深く根を下している。シラーとドストエフスキーのタイプの必然的な特徴的な付属物のように感じられる ②シラーとドストエフスキーのある種の貴族性、高貴さを作り上げているもの、あるいはそれを表現しているもの病患であるように思える   病患

    • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ③ひとはその生まれによって、その肉と血の故をもって高貴なのです。つまり高貴性とは肉体的なものなのです。

        (霊場) 「ワイマールとヤ―スナヤ・ポリャーナ。今日世界に、この二つの場所ほどにエネルギーを放射するところはなく、ひとびとの憧憬とそこはかとない希望と崇敬の願いとが巡礼していった霊験あらたかな巡礼地はありません」   ゲーテはたんなる詩人ではなく、人生の王侯、ヨーロッパ文化、教養、人間性の最高の代表者であった。ワイマールには教養人士や王侯や芸術家や青年や、あるいは田舎者たちが陸続として押しよせていた。 「彼らは、ゲーテをまのあたり見ることが許されたという意識が、彼らの余生

      • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ②ルソーの自然に対する関係は「情感的(ゼンテイメンターリッシュ)」なもの」、シラーの“Uber naive und sentimentalische Dichtung”

          テキストは岩波文庫「ゲーテとトルストイ」トーマス・マン著 山崎章甫・高橋重臣訳 第4刷を使用     (拙劣ということ) 「見よ、なんという素晴らしい人間がこの世に生きていることだろうか」ゴーリキーがトルストイを見て発した叫びは「あらゆる伝記が世間のひとびとを動かしていわせようと求めている叫びであり、また普通実際にそういわせている」 その理由は「人間はどんな人間でも素晴らしいから」であり「精神と感受性とをもってすれば、どんな人間の生活でも、興味ある愛すべきものにすること

        • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ①

          テキストは岩波文庫「ゲーテとトルストイ」トーマス・マン著 山崎章甫・高橋重臣訳 第4刷を使用   (シュテッツァー) ユーリウス・シュテッツアー(1812-1905) 1828年16歳のとき、79歳のゲーテに会う 33年後、33歳のトルストイと会う。 (優劣の問題) ユーリウス・シュテッツアーはなんの変哲もない生涯を過ごしたが、二人の偉大な人物を個人的に知るという目覚ましい特権を誇ることができた。 シュテッツアーがゲーテと言葉をかわした年に生れたのがトルストイ。 そのトルス

        • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ④病患による貴族性

        • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ③ひとはその生まれによって、その肉と血の故をもって高貴なのです。つまり高貴性とは肉体的なものなのです。

        • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ②ルソーの自然に対する関係は「情感的(ゼンテイメンターリッシュ)」なもの」、シラーの“Uber naive und sentimentalische Dichtung”

        • トーマス・マン「ゲーテとトルストイ」に関するメモ①

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        • トーマス・マン
          8本
        • 島崎藤村
          5本
        • トルストイ
          2本
        • ショーロホフ
          5本

        記事

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第七章からの登場人物と主要人物

          ハンス・カストルプ 本編の主人公。5歳から7歳の間に両親を失う。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中の従兄、ヨーアヒム・チームセンを訪ねる。自らも「ベルクホーフ」に入院。 ヨーアヒム・チームセン ハンス・カストルプの従兄。ハンス・カストルプの母の腹違いの姉の息子。ハンスより背が高く、肩幅も広い。士官候補生。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中だったが山を降り入隊し少尉に任官するが、容態が悪化し再び「ベルクホーフ」に戻る。喉頭結核の悪化により死亡。 マダム・ショーシャ

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第七章からの登場人物と主要人物

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第六章からの登場人物と主要人物

          ハンス・カストルプ 本編の主人公。5歳から7歳の間に両親を失う。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中の従兄、ヨーアヒム・チームセンを訪ねる。自らも「ベルクホーフ」に入院。 ヨーアヒム・チームセン ハンス・カストルプの従兄。ハンス・カストルプの母の腹違いの姉の息子。ハンスより背が高く、肩幅も広い。士官候補生。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中だったが山を降り入隊し少尉に任官するが、容態が悪化し再び「ベルクホーフ」に戻る。 マダム・ショーシャ ロシア人。戸をガチャンと閉

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第六章からの登場人物と主要人物

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第五章からの登場人物と主要人物

          ハンス・カストルプ 本編の主人公。5歳から7歳の間に両親を失う。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中の従兄、ヨーアヒム・チームセンを訪ねる。自らも「ベルクホーフ」に入院。 ヨーアヒム・チームセン ハンス・カストルプの従兄。ハンス・カストルプの母の腹違いの姉の息子。ハンスより背が高く、肩幅も広い。士官候補生。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中 マダム・ショーシャ ロシア人。戸をガチャンと閉める。中くらいの背格好。赤みがかったブロンドの髪を編んで無造作に頭の周りに巻きつ

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第五章からの登場人物と主要人物

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第一章から第四章

          「カストルプ家・親類縁者」 ハンス・カストルプ 本編の主人公。5歳から7歳の間に両親を失う。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中の従兄、ヨーアヒム・チームセンを訪ねる。 ティーナッペル領事 ハンス・カストルプの育ての親。ハンス・カストルプの母方の大叔父 ヨーアヒム・チームセン ハンス・カストルプの従兄。ハンス・カストルプの母の腹違いの姉の息子。ハンスより背が高く、肩幅も広い。士官候補生。国際サナトリウム「ベルクホーフ」で療養中 ハンス・ヘルマン・カストルプ ハンス・カスト

          トーマス・マン「魔の山」登場人物一覧表 第一章から第四章

          「静かなドン」小説内の出来事と歴史上の動き。第二巻第五編

          小説「静かなドン」内の出来事を太字、歴史上の動きを普通字で記しています。 ロシアでは1918年2月14日のグレゴリオ暦導入までユリウス暦(露暦)が使われており、ユリウス暦(露暦)に13日を加算するとグレゴリオ暦の月日に換算できます。 ロシアでは1917年の10月革命から3ヶ月後にボリシェヴィキ政府の政令により、グレゴリオ暦が導入し1918年1月31日の次の日は、2月14日となっています。 この記事では、ロシア国内の出来事は1918年1月31日までは基本的にユリウス暦(露暦)と

          「静かなドン」小説内の出来事と歴史上の動き。第二巻第五編

          「静かなドン」小説内の出来事と歴史上の動き。第二巻第四編

          小説「静かなドン」内の出来事を太字、歴史上の動きを普通字で記しています。 ロシアでは1918年2月14日のグレゴリオ暦導入までユリウス暦(露暦)が使われており、ユリウス暦(露暦)に13日を加算するとグレゴリオ暦の月日に換算できます。 ロシアでは1917年の10月革命から3ヶ月後にボリシェヴィキ政府の政令により、グレゴリオ暦が導入し1918年1月31日の次の日は、2月14日となっています。 この記事では、ロシア国内の出来事は1918年1月31日までは基本的にユリウス暦(露暦)と

          「静かなドン」小説内の出来事と歴史上の動き。第二巻第四編

          ショーロホフ「静かなドン」第二巻登場人物一覧表

          第二巻 「メレホフ家」 グリゴーリィ・パンテレーヴィチ・メレホフ(グリーシカ、グリーシャ、グリーシェンカ) 本編の主人公。パンテレイ・プロコーフィエヴィチ・メレホフの次男。ペトロの六つ年下の弟。アクシーニヤと駆け落ちするが、アクシーニヤの不義によりメレホフ家に戻る ナターリヤ・ミローノヴナ・コールシュノフ(ナターシカ、ナターシャ) コールシュノフ家長女。グリゴーリィの妻となる。 ミシャートカ グリゴーリィ・メレホフとナターリヤの息子 ポーリュシュカ グリゴーリィ・メレホフとナ

          ショーロホフ「静かなドン」第二巻登場人物一覧表

          プーシキン「大尉の娘」登場人物一覧表

          アンドレイ・ペトローヴィチ・グリニョーフ ピョートル・アンドレーイチ(ペトルーシャ)の父。若いころミーニフ伯爵の部下として軍務についていたが、17××年に二等中佐で退職し、アヴドーチャ・ヴァシーリエヴナと結婚。 ミーニフ伯爵 アンドレイ・ペトローヴィチの上官 アヴドーチャ・ヴァシーリエヴナ アンドレイ・ペトローヴィチ・グリニョーフの妻。ピョートル・アンドレーイチ(ペトルーシャ)の母。 近衛少佐B公爵 グリニョーフ家の近親 アルヒープ・サヴェーリイチ 猟番。ピョートル・アンドレ

          プーシキン「大尉の娘」登場人物一覧表

          ショーロホフ「静かなドン」資料集①「コサックについて」

          「コサックについて」   河出書房新社 世界文学全集44 ショーロホフ 静かなドンⅢ 解説 桑原武夫 より引用 (引用はじめ) 「コサックまたはカザークとは、本来「自由な人間」または「まもりて」の意である。十五、六世紀に当時のロシア国の南端に、逃亡奴隷や都市の貧民が集まって広い土地を占拠し、つぎの世紀にはトルコやタタールの侵入者を防衛した。ロシア政府は彼らに武器、食料、資金をあたえて国境防衛に当たらせたので、彼らはそこに独自の自治的、軍事的組織をつくりあげ、いわゆるコサック兵

          ショーロホフ「静かなドン」資料集①「コサックについて」

          ショーロホフ「静かなドン」登場人物一覧表①第一巻(第一編~第三編)

          「メレホフ家」(典型的なコサック中農) プロコーフィ・メレホフ コサック。クリミア戦争のとき部落へトルコから妻を連れてくる。 トルコ女 プロコーフィ・、メレホフの妻 パンテレイ・プロコーフィエヴィチ・メレホフ プロコーフィ・メレホフとトルコ女の子。現メレホフ家当主。元近衛コサック下士。 ワシリーサ・イリイニチナ パンテレイの妻。コサック女 ワシリーサ伯母 イリイニチナの従姉妹。抜け目のないやもめ婆さん。グリゴーリィの媒酌人 ペトロ・パンテレーヴィチ・メレホフ(ピョートル、ペチ

          ショーロホフ「静かなドン」登場人物一覧表①第一巻(第一編~第三編)

          トルストイ「復活」登場人物表②(第二編八から第三編二十八まで 新潮文庫版下巻分)

          * 下巻部分は米川正夫訳修道社版を使用しているため、新潮文庫版とは若干表記が違います。   ニコーレンカ・イルチエーニエフ 「幼年時代・少年時代・青年時代」の主人公 水車場の主人 ネフリュードフ公爵のパノーヴォ村の屋敷と家具一式を十分の一の価格で買い取った男 サマーノフ 大地主。ネフリュードフ公爵の友人のシェンボックに財政管理を任せている。 グリーシン 立派な厩を持っている 体中にい石炭酸の臭いのしみ込んだ若い医者 カチューシャが働く病院の医者。囚人たちに寛大な処置をとってい

          トルストイ「復活」登場人物表②(第二編八から第三編二十八まで 新潮文庫版下巻分)

          トルストイ「復活」登場人物表①(第二編七まで 新潮文庫版上巻分)

          ネフリュードフ公爵(ドミートリイ・イワーノヴィチ・ネフリュードフ) 本編の主人公。かつてカチューシャ・マースロワを誘惑し魔道に堕ちるが回心する。近衛中尉 カチューシャ・マースロワ ネフリュードフ公爵に誘惑されたのが原因となって娼婦に転落し、冤罪のため流刑に処せられる。27歳。瞳の片方はやや斜視気味。二人姉妹の地主屋敷に奉公していた、亭主のいない百姓女の娘として生まれる。三歳のとき母親が病死。 貴族会会長 ネフリュードフ公爵の主な領地のある郡の貴族会会長。自由主義的な人物 マ

          トルストイ「復活」登場人物表①(第二編七まで 新潮文庫版上巻分)