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島崎藤村 「夜明け前」登場人物一覧表詳細版

*登場人物のほとんどを網羅した詳細版です。歴史上の有名人物はなるべく省いています。

馬籠青山家
青山半蔵
 本編の主人公。青山吉左衛門の息子。宮川寛斎に国学を学ぶ。

天保二年生。モデルは島崎藤村の父、島崎正樹

お民 半蔵の妻。妻籠本陣の当主青山寿平次の妹。半蔵より6つ下。

モデルは藤村の母、ぬい

青山道斎 青山監物の次子。馬籠を開拓。半蔵は道斎の17代目の子孫。馬籠万福寺を建立。

青山半六 吉左衛門の父

隠居 半六の妻。73歳で死亡

青山吉左衛門 半蔵の父。馬籠宿庄屋本陣問屋。相州三浦の青山監物の第二子治郎左衛門(道斎)が馬籠を開拓。

おまん 半蔵の継母

お袖 半蔵の実母。32歳で他界。

お粂 半蔵の長女。安政三年生まれる。藤村の実姉園子がモデル。

「ある女の生涯」のおげん。「家」のお種。

植松弓夫 お粂の夫

宗太 半蔵の長男。安政5年生まれ。モデルは藤村の長兄、秀雄。

お槇 宗太の妻

正己 半蔵の次男。文久元年暮れ生まれ。妻籠の青山寿平次の養子となる。モデルは藤村の次兄、広助。

お夏 半蔵の次女。早世

お毬 半蔵の三女。早世

森夫 半蔵の三男。モデルは藤村の三兄、友弥。

和助 半蔵の四男。モデルは島崎藤村。


お徳 下女。髪結直次の娘。

おたけ 正己の乳母。正己について妻籠へ行く。

おふき婆さん 半蔵の乳母


お喜佐 上の伏見屋仙十郎の妻。半蔵の異母妹(継母おまんの実の娘)。

仙十郎と離縁し、婿養子の祝次郎を迎える。

祝次郎 お喜佐の夫。婿養子。


和田屋の清助 青山家の遠縁の人。

亀屋栄吉 吉左衛門の実家を相続している。吉左衛門の甥。半蔵とは従兄弟。

佐吉 馬籠青山家下男。半蔵の祝言時に新規に奉公。

青山家の飼い猫。黒毛。


お霜婆 兼吉の母

兼吉 青山家出入り百姓

桑作 青山家出入り百姓

お虎婆さん 青山家出入り百姓の家の者

児玉政雄 信州上田の医者。馬籠在住時に11歳の半蔵に詩経を教える。


勝重 落合の稲葉屋儀十郎の子息。半蔵の住み込み弟子。

稲葉屋儀十郎 勝重の父


妻籠青山家

青山寿平次 妻籠の本陣。妹お民が半蔵に嫁ぐ。年齢は半蔵の一つ下。

馬籠青山家とは青山監物を父祖とする兄弟の家柄。青山監物の長子が妻籠を開拓。

次子が馬籠を開拓。

お里 寿平次の妻。

琴柱 (ことじ)寿平次とお里の娘。

徳右衛門 妻籠の脇本陣。扇屋(造り酒屋)の主人。寿平次の後見役。

実蔵 徳右衛門の養子。


山上七郎左衛門 相州三浦に住む。青山監物を遠祖とする青山家の遠戚。

偶然に青山寿平次と知り合う。青山の家は山上から分かれる。

山上は鎌倉時代の三浦氏から出た。


稲葉のおそのさん おまんの里方の夫人


六三郎 半蔵が水無神社で使っていた小使の倅。


河合定義 日義村の人。正己と共に木曽谷山林事件に打ち込む。


馬籠の人々

伏見屋(小竹)金兵衛 年寄役。造り酒屋。質屋。桝田屋惣衛門親子の衣鉢を継ぐ。

モデルは馬籠宿年寄役の大脇信興。美濃派の俳諧を嗜む。

信興の大黒屋日記(30歳から74歳までに書き留めた日誌)が「夜明け前」の核になった。

お玉 金兵衛の妻

鶴松 金兵衛の子。17歳で病死。

伊之助 金兵衛の養子。年寄役。問屋後見。半蔵より三つ年下

お富 伊之助の妻

二代目伊之助 伊之助の長男、一郎。二代目伊之助を襲名

お須賀 二代目伊之助の妻

二郎 伊之助の次男

三郎 伊之助の三男

お末 伊之助の末娘


仙十郎 伏見屋の金兵衛の仕事を手伝う。

金兵衛を叔父と呼び、吉左衛門を義理ある父とする。

伏見屋から分家して別に上の伏見屋という家をもっている。年は半蔵より三つほど上。


桑園和尚 馬籠万福寺の禅僧

松雲和尚 馬籠万福寺の新住職。元の名を智現。万福寺は青山家の祖先が建立。

お島 万福寺に住み、松雲和尚の身の廻りの世話をする女性


問屋の九太夫 問屋

問屋の九郎兵衛 九太夫の後継

桝田屋の儀助 年寄役。脇本陣。馬籠宿で初めて酒を造ったのが桝田屋。

桝田屋初代惣衛門が馬籠宿の現在を築いた

桝田屋の小左衛門 桝田屋の相続人。

笹屋の庄兵衛 百姓総代の組頭

笹屋の庄助 庄兵衛の子息

小笹屋の勝七

小笹屋の勝之助 勝七の相続人

蓬莱屋の新七 年寄役

蓬莱屋の新助 蓬莱屋の後継

梅屋の与次衛門 年寄役

梅屋の五助 与次衛門の子。

益穂 梅屋の三男


弥平 目証(めあかし)、おかっぴき

髪結直次 髪結。青山家下女お徳の父


峠の組頭の平助

平兵衛 平助の跡継

峠の牛行司の利三郎


崇佐坊 落合の宗匠


松下千里 馬籠荒町の禰宜

千春 松下千里の子息

杏庵老人 山口村の医者

小倉啓助 半蔵が自分の後任に推薦した教師

お雪婆さん 中津川から来て半蔵の近所で小料理屋を営む

小島拙斎 医師。青山本家の母屋を借りて住む。


中津川の人々

浅見景蔵 半蔵、香蔵と共に宮川寛斎に国学を学ぶ。中津川本陣の相続者。

モデルは 市岡殷政(いちおか しげまさ)

蜂谷香蔵 半蔵、景蔵と共に宮川寛斎に国学を学ぶ。中津川の問屋。和泉屋

モデルは間秀矩(はざま ひでのり)

小野三郎兵衛 モデルは中津川村の庄屋、肥田通光(ひだ みちてる)

宮川寛斎 医師。半蔵・香蔵・景蔵の国学の師。香蔵の姉の夫でもある。

安政六年に中津川の商人万屋安兵衛の書役として横浜へ、生糸売り込みの一行に加わる

モデルは馬島靖庵(まじま せいあん)


問屋角十 中津川の問屋。角屋十兵衛

万屋安兵衛 中津川の商人。安政6年横浜へ生糸売り込みに行く

嘉吉     万屋の手代。安政6年横浜へ生糸売り込みに行く

大和屋李助 中津川の商人。安政6年横浜へ生糸売り込みに行く

牡丹屋     横浜で宮川寛斎が滞在した。


国学者・平田門人

平田鉄胤 (ひらたかねたね)平田篤胤の養嗣。

平田延胤 (ひらたのぶたね)篤胤の子息

暮田正香 信州岩村田の人。水戸の藤田東湖に学び、東湖死後に水戸学から離れ、平田派となる。等持院梟首事件に関わる。モデルは国学者・神官の角田忠行(1834-1918)

松尾多勢子

伊那伴野村出身

51歳で平田門人となる。52歳のとき、単身上洛。

松尾誠 多勢子の子

倉沢義髄 伊那小野村の国学の徒

原信好 清内路の国学の徒

北原稲雄 天狗党の飯田通過に尽力する。

伊那座光寺の国学の徒。平田篤胤「古史伝」の上木頒布を計画する。

今村豊三郎 北原稲雄の弟。伊那座光寺の国学の徒

舘松縫助 伊那南条村の平田門人。号は千足(ちたり)。

平田篤胤の稿本全てを江戸から伊那へ移す。

染物屋伊勢久 伊勢谷久兵衛。京都麩屋町の平田門人。勤王の志士や平田門人を世話する。

原遊斎     平田門人

権田直助 平田門人

井上頼圀 権田直助の弟子。平田門人

前沢万里 平田門人

三輪田元網 平田門人

師岡正胤 平田門人。等持院梟首事件に参加。

片桐春一 平田門人


金丸恭順 東京新乗物町に住む医師。平田門人。


福島関所・幕府・諸藩士・その他

山村良由(1742-1823)名は良由(たかよし)。号は蘇門。木曽福島代官九代目。

山村氏は十三代目に明治維新を迎える。

植松菖助 木曽福島関所番。砲術の指南役。福島指折りの武士。

野口秀作 福島の町家の人。


喜多村瑞見 幕府奥詰医師。函館奉行組頭。昌平校頭取。御目付。

横浜で宮川寛斎の案内を受ける。モデルは栗本鋤雲(1822‐1897)幕府外国奉行。

1867年、パリ万博の為、大使としてフランスに特派された。

藤村は青年時代に鋤雲に漢詩文を習った。友情出演的な配役。

岩瀬肥後守 名は忠震(ただなり)幕府目付。勝海舟、江川太郎左衛門らを抜擢。

米国領事ハリスと交渉する。将軍継嗣問題で失脚。

山口駿河 号は泉処。外国奉行主席。大目付。兵庫開港問題で英仏米蘭公使と交渉する。


福島の幸兵衛 福島の庄屋

贄川の平助 贄川の庄屋


十一屋の隠居 両国の旅籠十一屋。半蔵が初めて江戸に行った際に逗留。木曽の出身


多吉 江戸本所相生町に住む。半蔵が逗留。

お隅さん 多吉の妻。

お三輪さん 多吉の娘。


武田耕雲斎 天狗党首魁

山国兵部 天狗党参謀

田丸稲右衛門 天狗党副将

藤田小四郎 天狗党幹部

亀山嘉治 天狗党小荷駄掛。半蔵に和歌を残す。

田沼玄蕃頭 幕府追討総督。天狗党を追う。


塩原彦七 諏訪高島藩用人。和田峠合戦で水戸天狗党を迎撃する。

田沼玄蕃頭を批判する。

降蔵 諏訪飯島村の百姓。天狗党に強制的に人足として徴用され、越前まで行く。

永原甚七郎 加州金沢藩家老。天狗党と交渉する。


ケンペル オランダ商館付医師。徳川綱吉に謁見。

東久世通禧(ひがしくぜ みちとみ)七卿落ちで長州に逃れた公家の一人。

王政復古後、参与兼外国事務取調掛。神戸事件、堺事件に対応。

ロセス 仏国公使

ブロック 和蘭代理公使

パアクス 英国公使

メルメット・カション フランス公使館附書記官


相良惣三 赤報隊首魁

金原忠蔵 相良惣三の同志

伊達徹之助 相良惣三の同志


土屋総蔵 尾州御勘定奉行から木曽谷の民政権判事に転任

本山盛徳 権中属。筑摩県木曽福島支庁主任官吏。


王滝の里宮の禰宜 宮下の主人?

遠山五平 王滝の戸長


田中不二麿 尾張藩出身の新政府参与。明治7年より文部大輔


グレゴリイ・ホルサム 鉄道建築師として日本政府に雇われる。新橋横浜間鉄道主管


日向輝乃進 旧美濃岩村藩士。植松弓夫の遠縁。和助を預かる。

野口寛   木曾福島出身の旧士族。銀座4丁目の裏通りに住む。和助を預かる。

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