ミナミに呑みにいきたい…
久々に仕事で外出をした。
少し雨が降って、気温は下がっていたがキチンとワイシャツは汗で滲んだ。背負ったリュックと背中の間にはジンワリと熱が帯び、革靴を蒸らしながら歩いた。
暑い、暑すぎる。
周囲に人がいないのを確認して、マスクを外した。サウナのように、こもった口元が解放された。吸い込んだ空気は、マスク越しでなくても十分な湿気と熱気を帯びており、肺にねちゃりと張り付いた。
ああぁ…
懐かしい…
この気持ち悪さ…
私はこの気持ち悪さを知っている、そしてどのように解消するのかも知っている。思い出した、思い出してきた。
肺に炭酸と麦とホップを満たしてやればすぐにスッキリ、汗で流した水分も補給されて体はよみがえる。
ミナミに行きたい!
ミナミに呑みに行きたい!
南海線はなんば駅から歩いてすぐ、裏なんばに入ってすぐにビールと串もので始めよう。
2,3杯飲めばすっかりスイッチは昼から夜へ切り替わることだろう、さっさと次の店へ歩を進めよう。
日本酒の立ち呑みなんかもいいなぁ…詳しくはないから、目についた適当な銘柄と練り物、チーズでちびちびやろう。この暑さに辛口すっきりなんて最高だろう。
適当なところで次の店へ行こう。なんとなくフラリと入って居心地が良ければ2杯目を頼んで、気分が合わなければ次の店へ行けばいい。
みんなそんな調子なのだから何も気にすることはない。
腹が膨れたら御園ビルで適当なバーに入ろう。
空いた店でマスターと語らうもいい、弾き語りを適当に聞いてもいい、レトロゲームをピコピコして酔いを醒ましてもいい。
そして、締めにすきっ腹をラーメンで埋めて帰ろう。
金龍はシラフじゃとても食えないが、酔っぱらってたら大丈夫だろう。
あー…
ミナミに呑みにいきたい…
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