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タロット劇場シリーズ カード占い物語

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タロットの物語シリーズ。占いマンガ。耳で読むストーリー。
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2024年5月の記事一覧

[タロット劇場#22]ソード(10)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード10。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回までのあらすじ。 タロ子が勤務する会社にて、立ち上がった新商品開発。 プリンを企画するためにぎった一本のペン。 決意を胸に、アイデア出しや社内コンペでしのぎを削ったあの争い。 たまにお休みもして、進んできたプロジェクト。 これまでこうして知恵を武器に、困難を乗り越えてきました。 今回は、ーー10番目のカード、ソードシリーズ、ファイナルです。  * * * カードをご覧ください。 湖のほとり、横たわる人物に、10本もの剣が突き立てられています。 説明なんて不要なほど、見るも無惨な姿です。 そのショッキングな絵柄に思わずギョッとして、顔を伏せてしまいそうなほどに。 そして、うつ伏せに倒れている人物に刺さる剣は、赤い布ごと突き刺しています。 この赤い布は「情熱」。それが貫通しています。つまり、情熱すら残っていないようです。 一方、タロ子さんも、自宅のベッドに横たわり、その背中にも剣のような言葉が突き刺さっています。 どうやら時すでに遅し。新商品プリン開発から外されてしまったようです。 どうにもこうにも。これまでやっとこさ重たい責任を負い、身を粉にして働いたきたのに。 でも、その背負ってきた背中に打たれたのは、“終止符“でした。無情にも、グサリと。 もう心も体もボロボロです。 人はときにこのような状況を 「失敗・不運・災難」と呼ぶのでしょう。 たしかにこのカードの意味は、「涙、悲しみ、寂しさ、苦悩」など図柄からストレートに連想されるそれらです。 ウェイト=スミス版タロットの作者であるアーサー・エドワード・ウェイトも、そのように述べています。 まるで救いようもないよう敗北に感じるでしょうか。 しかしこれは同時に、長期間の苦しみからの解放をも示すのです。 なぜなら、もうプリン開発から外され、プロジェクトは終わったのですから。 足掻いても、嘆いても、もう終わったのです。 プロジェクトに関わることもできないけれど、それに伴う苦しみを味わうこともありません。 もう、次に進んでいいのです。 ソードの10。 1桁の数字から、次のナンバーへ進めるのですから。 むしろ、 1つ前のソード9でも同じような悲しみを表すカードでしたが、 しかしそこではまだ、終わることも始めることもできないでいました。 なぜなら悲しい結末が出たものの、まだ処理しきれていないからです。 つまり、9では戻ることも進むこともできない宙ぶらりんな葛藤だったのです。それも苦しいですよね。 しかし今回のソード10では、限界の到達です。 どんなに厳しい状況であろうとも、ある意味これ以上失うものはありません。 だってプロジェクトメンバーとして、もう終わったことなんですから。 終わる、ということは、次へ進める、ということです。 悪くなることはありません。 今がもしどん底ならば、もうこれ以上、底はないのですから。 それはカードの絵でも示唆されています。 空の色にご注目ください。 「限界」を表す真っ黒な空。しかしその不穏な空には、うっすらと鮮やかな黄色の光がさしています。山から朝日がのぼり始めているのです。 夜は明けようとしています。 ピリオドを打たれ、深い悲しみに打ちひしがれた、タロ子さん。 たしかに残った痛みと疲労で動揺は隠せませんが。 タロ子さん、もうどうしようもありませんか? 取り返しのつかないことなのにって、ズタズタになったり。 突き刺さった剣のように、決定的なダメージで まだ立ち上がれそうにもありませんか? 夜明け前の空は1番暗い。 だから今が1番 黒の暗さが際立つ。 だからソードのサイクルはここでおしまい。 戦いは終わったのです。 湖のその先、黒い空は終わり、黄色い空は希望が、いつかはやってくる。 今はまだ絶望的でも、必ず未来がやってくるように。 ソード1でにぎったペンの剣が、自らの背中に還ってきたソード10。 でもペンならまたにぎったらいい。また決める時が来たら、次のサイクルで1から始めればいいのだから。 よくがんばったね、タロ子! ★ソード物語のまとめ★ 思考が限界まで増えると、かえって動けなくなることもある。 「考え抜く力」もほどほどがちょうどいいのかもしれません。  * * * ということでこの小アルカナ物語。 主人公の『タロ子』は、“一人暮らし、彼氏募集中の会社員”です。 でも、会社の新商品開発でのタロ子さん。 プリン作れなくなっちゃいましたけど……。 いったいこれからどうなるの!? そもそも これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける物語。 ではそのために次の1番では何を始めるんでしょうか? 別の開発に参加する? プリンじゃなくて……それとも……? あなたなら、何かを手に入れたい時、何を始めますか? ということで、タロット劇場は新たに、シリーズ3・ペンタクル編が開幕です! 予告はこちら「クールに思考のソードですって?けっきょく言葉や考えだけじゃ、何も手に入れられなかったじゃない!手にしたいものがあるなら、形にしてこそナンボでしょ!」です。 どうぞお楽しみに。 * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 (また次回、お耳にかかります) あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)

[タロット劇場#21]ソード(9)小アルカナ物語

タロットのストーリー仕立てシリーズ II 、ソード9。 ★これはタロ子が日常のなか、幸せ見つける、小アルカナ物語。 タロット劇場、はじまりはじまり。★ 前回は「職場の拘束に身動きが取れないタロ子」でした。 今回はソード9番目のカードです。 『ソードは知性と言葉』。 それが9つも増えると……どうなるのでしょう? タロ子さんをみてみましょう。 おやおや……? 暗い部屋。パジャマ姿で、頭を抱えるタロ子さん。 ベッドの上で、悲しみに暮れている様子。 どうやら悪夢から醒めたのか、それとも眠れぬ夜に嘆いているのか……。 深い絶望に、心が打ちひしがれているようです。 それでは、ソード9の絵柄をご覧ください。 カードの人物も同じく、 悲観にくれた人物が、両手で顔をおおいながらベッドの上に座っています。 ……深刻そうです。 それもそのはず。 ソード9のキーワードは 「悲しみ・失望・苦悩」 といったネガティブな印象を彷彿とさせます。 たしかにこのカードは、小アルカナ・カードの中でも 特に深い「精神的な苦痛」を意味する と言われています。 それを表すのように、背景のカラーは、真っ黒。 もはや一言、「絶望」と嘆きたくなってしまいそうです……。  * しかしその望み、ほんとうに絶たれているのでしょうか? カードの絵柄に着目してみましょう。 ベッドの上の人物。 そこで過ごす人の身に、今にも恐るべき出来事が襲いかかって!……きているのでしょうか? ーーいいえ。そこはベッドの上、身は安全です。 つまり恐怖が起きている場所は現実ではなく、心の中なのです。 たとえ起因が現実に生じた出来事がキッカケだったとしても、 苦しみは内面を映しだしているのです。 とはいえ、抱えきれないないほどの悲しみ。 溢れちゃいそうだから、こぼれぬよう顔を覆ってみたけれど、その手のひらの内側では涙で濡れてのでしょうか……。  * しかし、それほど追い詰められて、苦しみ、たとえ希望を見いだせなかったとしても。 ご覧ください。 真っ黒な壁に掛かる9本のソード、その剣先が向かうのは、未来を示す『右』の方向です。 同じくカードの人物も、未来の右方向を向いている……はずのに、でも顔を突っ伏したままです。前を向きたくてもできないのでしょうか? まるで問題が今後もずっと続くかのような錯覚。将来さえ見通せないほどに。 膨らんでしまった苦しみ。えぐれすぎた喪失感。ぽっかり空いたままの孤独。だから、眠れないほどの悲しみ。  * * * でも、もし……もしも。 布団のうえ、ぽつり。嘆き悲しむタロ子さんだけど。 もし、両手を解き放ったなら、どうなるでのしょう? ふと顔をあげた時、その足元にかかる『布団の絵柄』に気づくことだってあるのではないでしょうか? その布団はどんな絵柄をしてるのだろう? カードの毛布に描かれているのは、 『バラと占星術で用いられるモチーフ』です。 バラは情熱。占星術は運気の流れ。 でも今はまだ、その目には、モチーフが映ることはないようです。だって手で顔を覆っているんですもの。 でも、もし……もしも悲しみを知って苦悩が去った後、顔をあげたら? 前を向け、その絵柄に気づけるくらいになったなら? そのモチーフがあらわすパワーを享受できるかもしれません。 たとえタロ子さんがもはや限界だとして、悪夢か現実かまるで区別がつかないほどの暗闇にいたとしても。  * * * ソードの9番目。 たしかにこのカードは、大きな悲しみが滲んできそうです。 でもそれはなぜでしょう? この「9」という数字に着目します。 そういえばあの時ーーソードの1番目では、あんなに決意したのに。 これまで2、3、4……と数字が増えるごとにいっぱい考えたり、戦力で勝ったり、そうして困難を乗り越えてきたはずなのに。 なぜ、9にもなって、不安と恐れに押しつぶされてしまいそうなんでしょうか? 今にも痛みに負けてしまいそうです。 ソードが9つ。 このソードとは「知性、思考、言葉」です。 では、それらが増え過ぎてしまったら? 考えすぎて逆に頭がこんがらがってしまうように。 ソードの1番目では決断できたのに、 9つも知性を働かせすぎたら、かえって判断できなくなります。 寝ても忘れられないほどに。 頭でっかちになって、心の居場所からはみ出てしまうかのよう。 たしか困難を切りひらくために必要だったソード。だけれど、 ソードも度が過ぎると、バランスが崩れてしまうのです。 感じるよりも、考えることを優先しすぎたタロ子さん。 このままソードが増えたらば、 いったいどんな結末を迎えるのでしょうか? 次回、いよいよソード10・ファイナルです!お楽しみに。  * * * * * *  『星のエンタメ☆』〜タロット劇場〜 あなたの星が実りますように。 東水みのり (※この記事の内容は、stand.fmにも投稿します) ・東水みのりstand.fmリンク https://stand.fm/channels/64a00b34b352effb9d464933 (「音楽提供:BGMer」http://bgmer.net)