
殺される恋仲である冬暖か
俳句ポスト365『冬暖か』で金曜日!
金曜日に掲載される句は、三十句でした。
初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。
です。
次から中級者
勝負したい、スリルを楽しみたい。
選外を受け入れる覚悟がある。
簡単に選ばれるとは思いません。
それでも来年は、中級に挑戦します。
俳句解説
この俳句は本歌取りです。
冬ぬくし何か復讐怖れつつ 山口青邨
上記の句を元のアイデアとして、自分なりに、考えてみました。
「冬暖か」ってなんだろう。
まず本意は、これ。
冬のさなかの暖かい日のこと。つめたい風も吹かない穏やかな日和。冬の恵まれた一日である。
本情。あるいは、この季語に対して、個人的に抱く印象は、どんな感じ?
暖かいけど、どこかが寒い。
風は冷たい。日は暖かい。
矛盾する二つの温度、みたいな。
言葉の強さとバランス
別の冬の季語を試してみましょう。
殺される恋仲である冬の風
やや強すぎる。
季語以外を変えてみましょう。
かけがえのない恋である冬暖か
幸せな雰囲気と、冬「暖か」という季語で、
凡凡の凡です。
言葉が強すぎると下品。
言葉が弱すぎると没個性。
俳句は奥が深いです。
字余りについて
「冬暖か」だと字余りだから、「冬ぬくし」に変えようか、迷いました。
金曜日の優秀句のうち二つは、「冬ぬくし」でした。
「恋仲」で今は楽しい。
でも「殺される」ような関係。
煮え切らない雰囲気だから、字余りのままにしておきました。
結果的に良かったようで、よかったです。