【詩】 波紋

幾度も寄せた大波は
いつしか凪いでいくばかり
雑音の中に光る言葉も
いつの間にやら見失う

溢れる言葉の濁流は
何処かに消えていくけれど
虚しさだけが底に残って
消えたい気持ちは増すばかり

きっと薬は効いている
海や川のようだった脳内は
湖のようになっている
きっと薬は効いている

湖なんて良いものじゃなく
小さなコップに溜まる水
落ちる滴は波紋を拡げ
溢れる手前でふるふる揺れる

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