【詩】 薄氷

周囲の温度が奪われて
水溜りは膜を張る
触れたらすぐに解するような
脆く儚い結晶体

誰かが踏んだ薄氷を
別の誰かも踏み付けて
後に残った無数の欠片
濁った水におかえりなさい

駆け込む電車 唸る心拍
温度は生を感じさせる
そこに広がる名もなき川は
今も絶えず流れ続けている

どこまでも拡がる虚空の間
そこに佇むヒト一人
スクリーンに映る動画を見ては
自称識者の論理を並べ

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