【詩】 温度

コンビニで買った珈琲の
ボトルを握って暖を取る
バスを待つ間の一時を
いつも助けてもらっている

握るそばから冷めていく
ボトルの温度は移ろいゆくが
それは全てが私にではなく
外気に不当に奪われている

ぬるくなった珈琲を
離せないまま時が過ぎ
何とも言えない寂しさを
分かち合う事さえも叶わず

珈琲よりも大事なものが
冷たくなるまで握っていたい
それさえ叶えられるのならば
他には何も望みなど無い

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