見出し画像

「私とコンピューターと亀」 - 地方から世界一を狙う農機具屋のプロフィール Part.2

「私とコンピューターと亀」

1998年、当時8歳。小学校のコンピュータークラブにて。

当時通っていた小学校にはまだWindowsが導入されておらず、図書室にある古いコンピューターにフロッピーを入れて「ロゴライター」というソフトを起動し、黒い画面に表示された「亀」に対して「前へ 100」というようなコマンドを入力し、亀が動いた軌跡を使って図を書くだけの謎の遊びに夢中になっていた。

1999年、新しいもの好きの父がPCを買うという話を聞いたので、「家でもロゴライターで遊びたい!」と駄々をこねて知り合いにソフトを譲ってもらったのだけど、家に届いたPCは最新の「Windows 98」だった。

綺麗なGUI、未来感のあるサウンド、簡単なマウス操作でソフトは起動できたが、生まれてはじめてフロッピーをコンピューターに入れて、慣れないキーボードを使って黒い画面にコマンドを入力して自由に「亀」を操作したときの高揚感とは何かが違う。

その後ソフトは殆ど起動されることもなく、父の興味も薄れたPCは子どもの玩具となり、テクノロジーの進化と共に、未来感のある綺麗な「Web ~ Web2.0」の世界へ流されていった。

そして2022年現在、様々なオブジェクト指向の世界を経て、なぜか今も黒い画面を見ながら、「仕事は?」と問いかけてくれるようになった「亀」に向かってコマンドをドンドン入力している。

熱狂し、そして忘れさられた言語
nwVOsZF8PdB0knbyYU9AVcQXQYQzCEy2MtO3HMIY

熱狂し、そして忘れさられた言語「LOGO」

あとがきと解説

この文章、Facebookで投稿したものなのですが、私は普段から「マイツール」というデータベースソフトを愛用しています。

これは、1984年にリコー社から発売されたソフトで、現在主流となった表計算のような概念とは大きく異なる。平たく言えば「意思決定」をするためのソフトで、フリーソフトとなった後に公開が終了した2022年現在も、全国に根強い愛好家が存在しています。

このソフト、非常に厄介なのがマウスなどのGUI操作ではなく、「"仕事は?"と聞いてくるツールに対してコマンドをドン(Done)と入力する」タイプのもので、1行1データでひとつずつコマンドを処理していく、プログラミング言語「BASIC」のような概念が非常に近く、はじめてこのソフトに触れる人の反応は、「なぜこんな化石のような古臭いツールを・・・」「黒い画面にコマンドを入力していく意味がわからない・・・」など様々です。

ただ、このマイツールを使っているとなぜか仕事の生産性が向上していったり、プログラミングや会計の思考、経営者の思考が自然と身についたりしていく不思議なツールなのです。

すべてのサービスが「おすすめ」をオブジェクト指向的にレコメンドしてくれる世の中だからこそ、「コマンド指向」即ち「他社に流されず意思決定をする力」を持つことが必要なのではないかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?