見出し画像

糸の心 (140文字小説)

 空を舞う風船の糸を、つかむようだった。

 私の心は、パッとつかまえられた。

 きっかけは領収書の指摘のため、彼のデスクに赴いたこと。

 相好を崩し、わざわざありがとう、と言ってくれた。

 数ヶ月後、私は想いを告げ、彼のものになった。

 バッグの中で、スマホが揺れた。

 たぶん夫だろう。

頂けましたサポートは全て執筆に必要な活動、道具などに使用させていただきます。是非、よろしくお願いいたしますm(_ _)m