転がる
坂道を転がるように落ちて行く
そんな夢を見た
坂の下には、猫がいて
なぜかミャーミャー鳴いている
ああ この猫は僕なのだと
抱き上げて
家に連れて帰ろうとするが、
家がどこだかわからない
悲しくなってワーワー泣くと
猫が僕を抱きしめてくれた
ああ 僕はこの猫なのだと思いながら
坂道を少しずつ上る
僕と猫は坂の上にたどり着いた
高台から僕の家が見える
僕が「ニャー」と鳴くと
猫は僕の胸から飛び降りて
「またね」と手を振った
あれっ 何だかおかしいぞ
そう思った瞬間
猫は急いで駆け出して
坂道を転がるように落ちて行った
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